リースバック利用者が急増している4つの主な理由とは?不動産のプロが解説

近年、老後資金の確保や相続対策の選択肢としてリースバックが注目されています。
リースバックとは、自宅を売却して現金化したうえで、売却後は賃貸として住み続けられる仕組みです。住み慣れた家で暮らしながら資金を確保できるため、生活設計を立てやすいのが特徴です。
当社でも2020年4月からリースバック事業を本格的に開始して以降、契約件数は増加傾向にあります。
ではなぜここまでリースバックが急増しているのかについて詳しく解説します。
なお、リースバックについての基本知識等の詳細解説と大手リースバック会社の比較は以下の記事も合わせてご覧下さい。




穴吹興産 竹島 健
区分投資事業部 バックオフィス 課長
【資格】
・宅地建物取引主任者
・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
【経歴】業界歴20年。12年間新築マンションのアルファシリーズの販売を担当。その後、7年間リースバックを中心に中古マンション買取事業に従事。現在は経験を活かしてリースバック検討に役立つ情報を発信。
リースバックのお問い合わせ
stock_mansion@anabuki-kosan.co.jp
リースバック急増要因は主に4つ

近年、リースバックの相談件数や紹介事例が増加しており、活用を検討する方も年々増えています。
その背景には、単なる一時的な流行ではなく、将来の資金確保や住まいの考え方の変化など、複数の社会的要因が関係しています。
リースバックが注目されるようになった理由は、以下の4つの点です。
- 生活スタイルの変化や物価高の影響
- 不動産価格の上昇で活用が拡大
- 住宅ローンの充実による返済リスク
- コロナ感染拡大による経済変動
これらはそれぞれ独立した要因ではなく、相続対策や老後資金の確保、住居を維持しながら現金を得たいという目的と密接に関連しています。
次章では、それぞれの要因について、なぜリースバックと相性が良いのかを詳しく解説していきます。
①生活スタイルの変化や物価高の影響

リースバックの利用者が増えている背景には、不動産市場や金融制度の変化だけでなく、私たちの生活スタイルそのものの変化があります。
特に近年、物価高が続く中で、日々の生活にかかるコスト構造が大きく変わりつつあります。
便利な仕組みが増え、見えないコストも増加している
現代の暮らしは、さまざまな便利な仕組みに支えられています。
家事や育児、仕事の効率を高めるサービスが次々と登場し、以前に比べて時間や手間をかけずに生活できるようになりました。
決してその便利さが悪というわけではないですが、それと引き換えに利用するには月々の費用が掛かってきます。
たとえば、
- インターネット回線やスマートフォンの通信費
- 動画配信や音楽配信などのサブスクリプションサービス
- ウォーターサーバーや宅配サービスの利用料
- 家事・育児を補助する定額サービス
などは、一度利用を始めると生活の一部となり、「やめにくい固定費」になりやすいのが特徴です。
これらの支出は一つひとつを見ると少額に感じられますが、複数を同時に利用することで、家計全体では無視できないコストとなっていきます。
便利な世の中になった分、「意識しないまま支払っているお金」が増えているともいえるでしょう。
共働き世帯が増えているものの、物価高で続く生活の厳しさ
こうした支出の増加に対し、私たちの収入がそれ以上に増えていれば問題はありません。しかし、現在の日本経済のデータを紐解くと、現実は決して楽観視できない状況が続いています。
厚生労働省の統計によると、企業の賃上げによって額面の給与(名目賃金)は上昇傾向にあります。
しかし、私たちが実際に体感する「収入」は、以下の表のように物価の上昇スピードに追いついていないのが実情です。
| 指標 | 推移(2025年後半時点) | 家計への実質的な影響 |
|---|---|---|
| 名目賃金(額面) | 数十年ぶりとなる高い賃上げ率を記録 | 給与支給額そのものは増加傾向にある |
| 消費者物価指数(CPI) | 歴史的な高水準を維持 | 生活コストそのものが底上げされる |
| 実質賃金(購買力) | 10ヶ月連続の減少(※1) | 買えるものが減り、生活は苦しくなる |
2024年から2025年にかけて、多くの企業で大幅な賃上げが行われましたが、円安や原材料高による物価上昇がそれを上回るペースで推移しました(※2)。
その結果、「給料は増えているはずなのに、財布の中身は以前より厳しい」という逆転現象が日本全体で起こっています。
さらに生活に直結する費用をみると、物価の上昇が家計を圧迫している実態が読み取れます。
2024年のCPIでは、食料が前年に比べて約4.3%上昇、光熱・水道費が約4.0%上昇しており(※3)、日々の生活に欠かせない支出が全般的に高くなっています。
- 2…参照:総務省統計局「消費者物価指数(CPI)」
- 3…参照:2024年(令和6年)平均消費者物価指数の動向
こうした影響は、家族の人数が多い分、影響を受けやすくなります。特に子育て世帯はこの他に、習い事や塾などの教育費も重なります。
さらに共働きで子育てをする場合、下記の継続的な費用も発生します。
- 保育園や学童保育の利用料
- 延長保育などの育児関連費用
このように、収入の伸び以上に生活コストが上昇する状況が続いているため、「働いても生活が楽にならない」「共働きでも家計に余裕が出ない」と感じる世帯が増えています。
物価高の影響は、家計にとって無視できない現実となっているのです。
②不動産価格の上昇で活用が拡大

リースバックの買取価格は、一般的に成約価格相場の60%~80%になるケースが多いです。
主にリースバックは不動産会社を買主とした取引が多く、事業として買い取りを行うため上記程度の金額となります。

それにもかかわらず、リースバックを選ぶ人が増えているのはなぜでしょうか。
その大きな理由の一つが、近年の不動産価格の上昇です。
エリアや物件の条件によっては、購入時よりも高い価格で売れるケースもあり、リースバックで売却したとしても手元に十分な資金が残るケースもあります。
その資金で住宅ローンを完済したり、生活費や将来の資金に充てたりと、自宅を資産として活用することができます。
実際に国土交通省が発表している不動産価格指数から不動産価格の上昇が伺えます。
リーマンショック後の2010年を平均100とした場合、2025年9月時点(2025年12月26日発表)で、
・マンション:222.2ポイント
・住宅総合:145.4ポイント
となっており、一時的にポイントを下げた時期があるものの、長期的には上昇傾向であることがわかります。
不動産価格が上昇している今だからこそ、売却価格が70%前後であっても十分な資金を確保できる可能性があります。
価格面での納得感と、住み続けられる安心感が重なり、リースバックを選ぶ人が増えています。

③住宅ローンの充実による返済リスク

近年の住宅ローンは、金利・借入条件ともに大きく変化しており、住宅を購入しやすくなった一方で、将来的な返済リスクを抱えやすい構造にもなっています。
この点が、リースバックを検討する人が増えている理由の一つです。
住宅ローンは「借りやすさ重視」へと変化した
約20年ほど前までは、住宅金融公庫(現在の住宅金融支援機構)を利用した住宅ローンが主流で、融資額は物件価格の80%までに抑えられていました。
そのため、住宅購入時には物件価格の20%とその他費用を自己資金で準備することが前提となり、返済計画も比較的慎重に立てられていたといえます。
現在の住宅ローン環境は、次のように変化しています。
- 物件の100%融資が可能
- 諸費用まで借り入れできるケースが増加
- 低金利を背景に変動金利型ローンが主流
住宅ローン環境の変化
| 項目 | 以前 | 現在 |
|---|---|---|
| 融資割合 | 約80% | 100%+諸費用も可 |
| 自己資金 | 多めに必要 | 少額でも可 |
| 金利タイプ | 固定金利中心 | 変動金利が主流 |
| 借入額 | 抑えめ | 高額化しやすい |
こうした変化により、高額な物件でも購入しやすくなった一方、借入額が大きくなりやすい構造になっています。
返済計画のズレが生じやすい現実
借入可能額が増えたことで、購入時点では無理のない返済計画に見えても、その後の環境変化によって、返済負担が徐々に重くなるケースがあります。
たとえば、次のような要因が重なることで、当初の想定と現実にズレが生じやすくなります。
- 収入の減少や働き方の変化
- 金利上昇による返済額の増加
- 生活費や教育費の増加による家計圧迫
さらに、ローン残高や物件価値の関係から、借り換えによる返済額の圧縮が難しい場合もあり、対応できる選択肢が限られてしまうのが実情です。
返済に悩んだときの現実的な選択肢として
こうした状況の中で、住宅ローンの返済に悩む方にとっての現実的な対策の一つとして注目されているのがリースバックです。
リースバックは、ローン残債があっても条件を満たせばリースバックを利用できる可能性があります。
リースバックを活用すれば、住み慣れた住まいにそのまま住み続けながら、住宅ローンの返済から解放されることが可能です。

④コロナ感染拡大による経済変動

少し前の話になりますが、2020年ごろに本格化した新型コロナウイルスの感染拡大は、企業活動や雇用環境に大きな影響を与えました。
業績悪化や働き方の変化を経験したことで、「これまで当たり前だった収入や生活が、必ずしも続くとは限らない」と感じた方も多いのではないでしょうか。
コロナ禍そのものは一段落したものの、この時期をきっかけに、将来の収入や資金に対する不安が顕在化したケースは少なくありません。
実際に、住宅ローンや管理費、固定資産税などの支出をあらためて見直し、「今の家計状況で、将来も支払いを続けられるのか」と考えるようになった方が増えています。
こうした不安を背景に、住まいをどう維持するか、資産をどう活用するかという視点での相談も増えています。
リースバックは、自宅を売却して資金を確保しながら、生活環境を大きく変えることなく住み続けられる仕組みであるため、将来への備えを考える手段の一つとして検討されることがあります。
実際に当社へご相談いただくお客様の中にも、コロナ禍をきっかけに収入や働き方への意識が変わり、「この先の生活に備えて、早めに選択肢を知っておきたい」という理由からリースバックを検討された方もいらっしゃいます。
コロナはあくまで「きっかけ」に過ぎませんが、その経験を通じて生まれた資金不安や将来への意識が、現在の住まいや家計の見直しにつながっているといえるでしょう。


資金への不安に寄り添うリースバック

これまで見てきたように、新型コロナウイルスの感染拡大を皮切りに、生活様式の変化や物価高などの複数の要因が重なり、生活の先行きに不安を感じる人が増えていることが分かります。
そうした中で、住み慣れた住まいを手放すことなく、資産の活用によって生活を安定させたいと考える方が、不動産価格が上昇傾向にある今、リースバックという選択肢に注目しているのです。
もし、住宅ローンの返済や住居費の負担、将来の収入や賃金の見通しについて、少しでも不安を感じているのであれば、まずはリースバックを取り扱っている不動産会社へ相談し、仕組みや契約条件、注意点をしっかり確認することが大切です。
そのうえで、自身の状況や将来設計に合った方法なのかを冷静に見極め、納得したうえでリースバックを選択するかどうかを検討することが、後悔のない判断につながるでしょう。
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