【2026年10月施行】国土交通省のリースバックガイドラインとは?ガイドブックとの違いをやさしく解説

リースバックに関するガイドラインについての解説

「自宅を売却したあとも、そのまま住み続けられる」というリースバックの仕組みを、新聞やテレビ、インターネットなどで見聞きしたことがある方も多いのではないでしょうか。

住宅ローンの返済や教育費、親の介護、老後の生活資金など、今後のお金について考えるきっかけは人それぞれです。

なかでも、持ち家という大きな資産をどのように活用するかは、慎重に考えたいテーマのひとつといえるでしょう。

そのリースバックについて、国土交通省は2026年7月、「住宅のリースバック取引における宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(リースバックに関するガイドライン)」を公表しました。2026年10月1日から施行されます。

リースバックについて調べていると、国土交通省が2022年に公表した「ガイドブック」という資料も見つかります。

名前が似ているため分かりにくいのですが、それぞれ主な対象が異なります。

  • ガイドブック:リースバックの利用を検討している方に向けた手引き
  • ガイドライン:リースバックを取り扱う不動産会社などに向けて、宅建業法の考え方を示したもの

この記事では、2026年のガイドラインによって何が明確になったのかを中心に、2022年のガイドブックとの違いや、リースバックを検討する際に確認しておきたいポイントを分かりやすく解説します。

なお、リースバックについての基本知識等の詳細解説と大手リースバック会社の比較は以下の記事も合わせてご覧下さい。

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記事執筆・監修
著者である竹島氏の顔写真

穴吹興産 竹島 健

区分投資事業部 バックオフィス 課長

【資格】
・宅地建物取引主任者
1級ファイナンシャル・プランニング技能士

【経歴】業界歴20年。12年間新築マンションのアルファシリーズの販売を担当。その後、7年間リースバックを中心に中古マンション買取事業に従事。現在は経験を活かしてリースバック検討に役立つ情報を発信。

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目次

そもそもリースバックとは?「2つの契約」がセットになった仕組み

リースバックの仕組みを表した図

まずは、リースバックの基本的な仕組みから確認しておきましょう。

リースバックとは、自宅を不動産会社などに売却して売却代金を受け取り、その後は買主となった会社などと賃貸借契約を結び、家賃を支払いながら同じ住宅に住み続ける仕組みです。

リースバックでは、大きく次の2つの契約を結びます。

  1. 売買契約
    自宅を不動産会社などに売却するための契約
  2. 賃貸借契約
    売却した自宅を借りて、そのまま住み続けるための契約

一般的な不動産売却と大きく異なるのは、売却後もその住宅に住み続けるため、「売却条件」と「売却後の賃貸条件」の両方を確認する必要がある点です。

自宅を売却すると、所有権は買主に移ります。

そのため、同じ住宅に住み続けていても、売却後は「住宅の所有者」ではなく「住宅を借りている人」という立場になります。

たとえば、

  • いつまで住み続けられるのか
  • 賃貸借契約を更新できるのか
  • 給湯器やエアコンなどが故障した場合、修理費は誰が負担するのか
  • リフォームや設備の変更ができるのか

といった点は、賃貸借契約の内容によって異なります。

2026年に公表されたガイドラインでは、こうした売却後の賃貸借条件についても、リースバックを利用するかどうかを判断するうえで重要な事項として整理されています。

2026年10月、国がリースバックに関するガイドラインを施行

リースバックガイドライン施行を表す画像

リースバックに関するガイドラインとは

正式名称は、

「住宅のリースバック取引における宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(リースバックに関するガイドライン)」

です。

国土交通省が2026年7月に公表し、2026年10月1日から施行されます。

詳しい内容は、国土交通省が公開している「リースバックに関するガイドライン」で確認できます。

名前だけを見ると難しく感じるかもしれませんが、新しい法律がつくられたということではありません。

もともと存在する宅地建物取引業法(以下「宅建業法」)について、リースバック取引ではどのように解釈・運用するのかを明確にしたものです。

特に重要なのが、リースバックでは売買契約と賃貸借契約が一体となっている点です。

これまでも不動産の売買については宅建業法上のルールがありましたが、今回のガイドラインでは、その後に結ばれる賃貸借契約の内容についても、利用者が売却するかどうかを判断するうえで重要な事項になることが明確にされています。

なぜガイドラインがつくられたのか

背景のひとつには、リースバックに関する消費者からの相談があります。

ガイドラインによると、全国の消費生活センターなどに寄せられたリースバックに関する相談件数は、

  • 2022年度:116件
  • 2023年度:227件
  • 2024年度:242件
  • 2025年度:214件

と推移しています。

これまでには、

  • 売却後に支払う家賃を十分に確認していなかった
  • 契約解除に関する条件を理解していなかった
  • 長く住み続けられると思っていたものの、賃貸借契約の期間が決まっていた
  • 設備が故障した際の修理費の負担をめぐって認識が異なっていた

といった相談事例も報告されています。

国民生活センターも2025年5月、「強引に勧められる住宅のリースバック契約にご注意!」として、実際の相談事例や契約時の注意点を紹介しています。

リースバックは「自宅の売却」と「売却後の賃貸」が組み合わされた取引であるため、双方の条件を十分に確認したうえで契約することが重要です。

ガイドラインによって何が明確になった?

ガイドラインによって明確になったこと

今回のガイドラインで特に重要なのは、

自宅を「売る条件」だけでなく、売却後に「借りて住み続ける条件」についても、契約するかどうかを判断するうえで重要な事項として整理されたこと

です。

たとえば、

  • 家賃はいくらなのか
  • 賃貸借契約の期間は何年なのか
  • 契約を更新できるのか
  • 定期借家契約なのか、普通借家契約なのか
  • 設備が故障した場合の修理費は誰が負担するのか
  • 将来、物件が第三者へ売却される可能性があるのか

といった条件についても、リースバックを利用するかどうかの判断に影響する重要な事項として扱われます。

つまり、売却価格だけを見るのではなく、その後の暮らしに関わる賃貸条件まで含めて確認することが、より重要になったといえるでしょう。

なお、ガイドラインの対象となるのは、現在居住している住宅について行うリースバック取引です。

買主が宅地建物取引業者である場合だけでなく、宅地建物取引業者が売買を媒介する場合なども対象となります。

「ガイドライン」と「ガイドブック」は何が違う?

リースバックのガイドぶくとガイドラインの違いを説明した画像

国土交通省は、2022年にも「住宅のリースバックに関するガイドブック」を公表しています。

ガイドラインとガイドブックは名前が似ていますが、主な対象や役割が異なります。

ガイドブックガイドライン
公表時期2022年6月2026年7月(10月1日施行)
主な対象リースバックの利用を検討する方リースバックを取り扱う不動産会社など
主な内容仕組みやトラブル事例、契約前のチェックポイント宅建業法がリースバック取引にどのように適用されるか
位置づけ利用者が判断するための手引き宅建業法の解釈・運用の考え方を示したもの

ガイドブックは利用者が判断するための手引き

2022年6月24日に公表された「住宅のリースバックに関するガイドブック」は、リースバックの利用を検討する一般の方に向けた資料です。

リースバックの仕組みや利用例、これまでに寄せられた相談事例などを紹介したうえで、契約前に確認しておきたいポイントを整理しています。

「リースバックとはどのような仕組みなのか」「契約前に何を確認すればよいのか」を知るための資料といえるでしょう。

ガイドラインは宅建業法の考え方を明確にしたもの

一方、2026年のガイドラインは、リースバックを取り扱う宅地建物取引業者などに向けたものです。

リースバック取引について、宅建業法上どのような事項を適切に告知・説明する必要があるのか、またどのような勧誘行為が問題となるのかなどが整理されています。

ガイドラインで示された内容について宅建業法に抵触した場合には、内容に応じて行政処分などの対象となる可能性があります。

ガイドブックとガイドラインはあわせて確認できる

新しいガイドラインが公表されたからといって、2022年のガイドブックが不要になったわけではありません。

ガイドラインによって事業者側の考え方がより明確になり、ガイドブックでは利用者側が確認しておきたいポイントを知ることができます。

リースバックについて理解を深める際は、両方をあわせて確認すると分かりやすいでしょう。

リースバックで不動産会社から説明を受けたい重要事項

リースバックで不動産会社から説明を受けたい重要事項

ガイドラインでは、リースバック取引において利用者の判断に重大な影響を与える事項として、さまざまな内容が整理されています。

ここでは、主な項目を分かりやすく紹介します。

自宅を「売る」ことに関する内容

売買契約については、たとえば次のような事項があります。

  • 売買代金以外に支払い・受け取りが発生する場合の金額や目的
  • 契約を解除できる条件
  • 違約金に関する取り決め
  • 将来、住宅を買い戻すための取り決めがある場合の条件

売却価格だけでなく、契約解除や買い戻しなど、将来に関わる条件まで確認することが大切です。

売却後に「借りて住み続ける」ことに関する内容

賃貸借契約については、次のような内容が挙げられています。

  • 家賃の金額や支払い時期、支払い方法
  • 家賃以外に費用が発生する場合の金額・時期・目的
  • 賃貸借契約の期間
  • 契約更新の有無や条件
  • 定期借家契約など更新のない契約である場合、その内容
  • 中途解約の条件や違約金
  • 敷金など退去時に精算する金銭の取り扱い
  • 修理・修繕費用の負担
  • 住宅の使用方法に制限がある場合の内容
  • 税金などの負担について取り決めがある場合の内容
  • 建物管理を別会社に委託している場合、その会社に関する情報
  • 貸主・借主や対象物件に関する情報
  • 災害など不可抗力による損害が発生した場合の取り扱い
  • 将来、住宅が第三者に売却される可能性と、その場合の賃貸借契約の取り扱い

特に確認しておきたいのが、将来、リースバック事業者が住宅を第三者へ売却する可能性についてです。

売却後に住宅の所有者が変わる可能性がある場合、その際に現在の賃貸借契約がどのように取り扱われるのかも確認しておくとよいでしょう。

なお、ここで挙げた内容だけ確認すれば十分というわけではありません。

疑問に思うことや、ご自身の生活に関わる条件がある場合は、契約前に具体的に確認することが大切です。

リースバックで禁止されている勧誘行為とは

リースバックで禁止されている勧誘行為

リースバックの勧誘についても、宅建業法に基づくルールがあります。

たとえば、次のような行為が問題となる可能性があります。

  • 将来の利益などについて、確実であると誤解させる説明をする
  • 契約するかどうかを考える時間を正当な理由なく与えない
  • 会社名や担当者名、勧誘目的であることを伝えずに勧誘する
  • 契約しない意思を示した相手に勧誘を続ける
  • 迷惑となる時間帯に電話や訪問を行う
  • 長時間にわたり勧誘を続ける
  • 契約や契約解除に関して威圧的な対応をする
  • 申込みの撤回などに際して、返還すべき金銭を返還しない

リースバックは、売却後の生活にも影響する契約です。

その場ですぐに判断せず、売却条件と賃貸条件の両方を確認したうえで検討することが大切です。

宅建業法に抵触した場合はどうなる?

宅建業法に抵触するとどうなる?を表す画像

ガイドラインで示された事項について宅建業法に違反した場合、内容に応じて指示や業務停止命令、免許取消しなどの行政処分の対象となる可能性があります。

また、宅建業法で定められた重要な事項について故意に事実を告げなかった場合などには、刑事罰の対象となる可能性もあります。

今回のガイドラインでは、リースバック取引に関する相談情報について、必要に応じて宅建業者を監督する行政庁へ情報提供する仕組みも示されています。

リースバックについて不安なことや契約上のトラブルがある場合は、消費生活センターなどの相談窓口を利用する方法もあります。

不動産会社に聞いておきたい3つの質問

3つの確認事項

ガイドラインには、法令上の義務として一律に求められるものではないものの、利用者が十分な情報を得て判断できるよう、事業者による対応が望ましいとされた事項もあります。

主なものは次の3つです。

  1. 売却価格の算定根拠
  2. 家賃の算定根拠
  3. 売却代金が家賃の何か月分に相当するか

たとえば、自宅を2,000万円で売却し、毎月の家賃が15万円だった場合、売却代金は単純計算で約133か月分の家賃に相当します。

133か月は、およそ11年です。

もちろん、実際の判断では税金や諸費用、将来の家賃変更なども考える必要がありますが、売却代金と今後支払う家賃を並べて考えることで、長期的な収支をイメージしやすくなります。

売却価格だけを見るのではなく、

「いくらで売却できるのか」
「その後、毎月いくら支払うのか」

をあわせて確認することが大切です。

売却価格や家賃の算定根拠についても確認し、納得できる条件かどうかを検討しましょう。

住宅ローンが残っている場合、リースバックはできる?

住宅ローンが残っている場合リースバックができるかの解説

住宅ローンが残っている状態でリースバックを検討する場合は、あわせて確認しておきたいポイントがあります。

住宅ローンを利用して購入した住宅には、一般的に金融機関の抵当権が設定されています。

住宅を売却する際には、原則としてこの抵当権を抹消する必要があります。

そのため、一般的には売却代金などを使って住宅ローンを完済し、抵当権を抹消したうえで売却することになります。

基本的な流れは次のとおりです。

売却代金を受け取る
→ 住宅ローンを完済する
→ 諸費用などを差し引いた金額が手元に残る

確認しておきたいのは、主に次の2点です。

売却価格で住宅ローンを完済できるか

住宅ローンの残高が売却価格を上回っている場合、差額を自己資金などで準備しなければ売却できないことがあります。

まずは住宅ローンの残高と査定価格を確認しましょう。

実際に手元にいくら残るか

売却代金がそのまますべて手元に残るわけではありません。

住宅ローンの返済や売却に伴う諸費用などを差し引いたうえで、最終的にいくら残るのかを確認することが大切です。

また、リースバックでは売却後に家賃の支払いが始まります。

現在の住宅ローン返済額と、リースバック後の家賃を比較してみることも重要です。

住宅ローンは返済を続けることで残高が減っていきますが、リースバックでは住み続ける期間に応じて家賃の支払いが続きます。

目の前の売却価格だけでなく、その後の毎月の支出も含めて検討しましょう。

契約できるのは名義人だけ|家族と話し合っておくこと

家族と住むときに確認したいこと

ご家族と一緒に暮らしている場合は、契約前に今後の生活について話し合っておくことも大切です。

住宅の売買契約を行うのは、原則として住宅の所有者です。

住宅が単独名義の場合、所有者本人の判断で売却手続きを進められるケースがあります。

一方、リースバック後の家賃負担や将来の住まいは、同居するご家族にも関係します。

たとえば、将来世帯の収入状況が変わった場合でも、住宅に住み続けるためには家賃を支払う必要があります。

また、自宅を売却することで、相続する財産の内容も変わります。

リースバックを検討する際は、

  • 毎月の家賃を無理なく支払えるか
  • どのくらいの期間住み続けたいのか
  • 将来住み替える可能性があるか
  • 相続についてどのように考えるか

などについて、ご家族と共有しておくとよいでしょう。

説明を受ける際に、ご家族に同席してもらうのもひとつの方法です。

契約前に自分で確かめる7つのポイント

家族と一緒のときにリースバックに関して確認しておきたいこと

ここからは、国土交通省が2022年に公表した「住宅のリースバックに関するガイドブック」をもとに、契約前に確認しておきたいポイントを紹介します。

1.リースバック以外の方法とも比較する

自宅に住み続けながら資金を用意する方法は、リースバックだけとは限りません。

たとえば、自宅を担保に融資を受けるリバースモーゲージなどの方法もあります。

また、住み続けることを必須としないのであれば、一般的な不動産売却も選択肢になります。

それぞれ仕組みや利用条件が異なるため、ご自身の目的や今後の生活に合った方法を比較して検討することが大切です。

複数の不動産会社や金融機関などから情報を集める方法もあります。

2.その場ですぐに契約を決めない

リースバックは、不動産の売買契約とその後の賃貸借契約が関係する重要な取引です。

提示された条件を確認し、不明点があれば契約前に質問しましょう。

特に知っておきたいのが、リースバックによる自宅の売却には、一般的に宅建業法上のクーリング・オフ制度が適用されないという点です。

宅建業法のクーリング・オフは、宅地建物取引業者が売主となり、消費者が買主となる一定の取引を対象とした制度です。

リースバックでは、住宅の所有者である利用者が売主となるため、この制度の対象とはなりません。

契約締結後の解除については、契約内容によって手付解除や違約金などが関係する場合があります。

契約書に署名・押印する前に、解除条件についても確認しておきましょう。

3.「受け取る金額」と「支払う金額」を比較する

リースバックでは、売却時にまとまった売却代金を受け取る一方、その後は家賃を支払いながら住み続けます。

そのため、

  • 売却によっていくら受け取れるのか
  • 毎月の家賃はいくらなのか
  • 何年間住み続ける予定なのか
  • その期間に家賃を合計でいくら支払うことになるのか

を確認してみましょう。

また、将来的に家賃が変更される可能性や、その条件についても契約前に確認しておくとよいでしょう。

リースバックでは、売却価格をもとに家賃が設定されるケースもあります。

売却価格だけ、あるいは家賃だけを見るのではなく、双方をあわせて比較することが大切です。

4.売却価格の根拠を確認する

提示された売却価格について、その算定根拠を確認してみましょう。

国土交通省が2020年度に実施した事業者調査では、リースバックの買取価格について「市場での取引価格の70%以下」と回答した事業者が50%を占めています。

ただし、実際の買取価格は物件の立地や築年数、状態、リースバック後の契約条件などによって異なります。

一般的な仲介による売却価格とは異なることを理解したうえで、

  • どのような根拠で価格が算定されたのか
  • 周辺の売却相場とどの程度違うのか

などを確認しましょう。

複数の会社に査定を依頼して比較する方法もあります。

5.買い戻しの条件を確認する

リースバックでは、契約内容によって将来自宅を買い戻せる場合があります。

ただし、リースバックを利用すれば必ず買い戻せるというわけではありません。

買い戻しを希望する可能性がある場合は、

  • 買い戻せる期間
  • 買い戻し価格
  • 買い戻すための手続き
  • 住宅が第三者へ売却された場合の取り扱い

などを契約前に確認しましょう。

口頭で説明を受けるだけでなく、買い戻しに関する条件が契約書などにどのように記載されているかを確認することが大切です。

6.賃貸借契約の種類を確認する

リースバック後にどのくらい住み続けられるかを考えるうえで、賃貸借契約の種類は重要なポイントです。

住宅の賃貸借契約には、主に「普通借家契約」と「定期借家契約」があります。

普通借家契約

契約期間が満了しても、貸主側に正当事由がない限り、原則として契約が更新される仕組みです。

定期借家契約

契約時に定めた期間が満了すると契約が終了し、更新されない契約です。

定期借家契約の場合でも、貸主と借主の双方が合意すれば、新たに「再契約」を結んで住み続けられる場合があります。

ただし、必ず再契約できるとは限りません。

国土交通省が2020年度に実施した事業者調査では、リースバック後の賃貸借契約について「定期借家契約」と回答した事業者が80%となっています(複数回答)。

長く住み続けたいと考えている場合は特に、

  • 普通借家契約なのか
  • 定期借家契約なのか
  • 契約期間は何年なのか
  • 更新または再契約は可能なのか

を確認しておきましょう。

7.修理費の負担や退去時の原状回復を確認する

自宅を売却したあとは、住宅の所有者ではなく借主となります。

そのため、これまで自分の判断で行っていた修理や設備変更についても、賃貸借契約上のルールが適用されます。

たとえば、

  • 給湯器やエアコンが故障した場合、修理費は誰が負担するのか
  • 設備を新しく取り付けてもよいのか
  • リフォームをしてもよいのか
  • 退去する際にどこまで原状回復する必要があるのか

などを確認しておきましょう。

契約書の文章だけではイメージしにくい場合は、「給湯器が故障した場合はどうなりますか?」など、具体的な例を挙げて確認するのも有効です。

リースバックのガイドラインについてよくある質問

よくある質問

Q.2026年10月より前に契約した場合はどうなりますか?

リースバックに関するガイドラインは2026年10月1日から施行されます。

一方、ガイドラインで取り上げられている宅建業法上の誠実義務や事実不告知の禁止などは、以前から存在する規定です。

すでに締結した契約について不明点やトラブルがある場合は、契約書を確認したうえで、消費生活センターや都道府県などの宅建業担当窓口へ相談する方法があります。

Q.2022年のガイドブックはどこで読めますか?

国土交通省の「『住宅のリースバックに関するガイドブック』を公表しました」のページから確認できます。

リースバックの仕組みや利用例、契約前のチェックポイントなどが図やイラストを使ってまとめられているため、初めてリースバックを検討する方にも参考になる資料です。

Q.今後、一般利用者向けの新しい資料は公表されますか?

国土交通省は、今回のガイドラインの内容を踏まえた一般消費者向けの啓発資料を作成・公表する予定としています。

最新情報については、国土交通省の「リースバックに関するガイドライン」のページで確認するとよいでしょう。

Q.リースバックについて相談したら契約しなければなりませんか?

査定や相談をしたからといって、必ず契約する必要はありません。

提示された売却価格や家賃、賃貸借契約の内容などを確認し、ご自身の希望に合わない場合は契約を見送ることもできます。

複数の方法や会社を比較し、納得できる条件かどうかを確認したうえで判断しましょう。

まとめ

国土交通省は2026年7月、「リースバックに関するガイドライン」を公表し、2026年10月1日から施行します。

今回のポイントを整理すると、次のとおりです。

  • 2026年のガイドラインは、リースバック取引に宅建業法をどのように適用するか、その解釈・運用を明確にしたもの
  • 2022年のガイドブックは利用者向け、2026年のガイドラインは主に事業者向けという違いがある
  • リースバックでは、売却条件だけでなく、その後の賃貸借条件も契約を判断するうえで重要
  • 家賃、契約期間、更新の有無、修繕費の負担、買い戻し条件、将来の物件売却なども確認しておきたい
  • 住宅ローンが残っている場合は、ローン残高と売却価格、売却後の家賃をあわせて確認する
  • ご家族と住んでいる場合は、売却後の家賃や将来の住まいについて事前に共有しておくことが大切

リースバックは、自宅を売却したあとも住み続けながら、まとまった資金を確保できる方法のひとつです。

一方で、自宅の所有権を手放し、その後は賃貸住宅として住むことになるため、一般的な不動産売却とは異なる確認事項があります。

売却価格だけで判断するのではなく、その後の家賃や契約期間、将来の住まいまで含めて条件を確認し、ご自身の目的や生活設計に合っているかを検討することが大切です。

あなぶきのリースバックでは、マンションを中心に普通借家契約で長く住み続けていただけるリースバックサービスを提供しております。

売却価格だけでなく、その後の家賃や契約内容についてもご説明し、条件をご確認いただいたうえでご検討いただけます。

「自分の場合はリースバックが合っているのか知りたい」「まずは売却価格や家賃の目安を知りたい」といった段階でも、お気軽にご相談ください。

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