「売却したいけど、まず何から始めればいいか分からない」
そんな悩みを抱える人にとって、“不動産一括査定サイト”は身近な選択肢になりつつあります。
しかし一方で、「しつこく営業されそうで不安」「違いが分からない」といった声も少なくありません。
今回は、分譲マンションに特化し、データと透明性で評価を高めてきた『マンションナビ』を運営するマンションリサーチ株式会社を取材。
同社でマンションナビ一括査定を担当している担当者に、サービスの成り立ちや“ユーザーファースト”の思想についてお話を伺いました。

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穴吹興産 竹島 健
区分投資事業部 バックオフィス 課長
【資格】
・宅地建物取引主任者
・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
【経歴】業界歴20年。7年間リースバックを中心に中古マンション買取事業に従事。現在は経験を活かしてリースバック検討に役立つ情報を発信。
リースバックのお問い合わせ
stock_mansion@anabuki-kosan.co.jp
マンションナビは「情報の非対称性」への違和感が出発点

マンションナビ創業者が抱いた問題意識
不動産の価格って、なぜ業者しか情報を持っていないんだろう?
創業者のこの問いかけからマンションナビが生まれました。
マンションリサーチ が運営する『マンションナビ』は、累計2.9億件超の売買・賃貸データをもとに、全国14.3万棟以上のマンション価格を可視化する相場公開サイト。
その出発点には、創業者が現場で感じていた“情報格差”への強い問題意識がありました。
「当時、センチュリー21の加盟店で営業をしていた創業者は、売主が売却価格の相場が分からないまま、不動産会社から提示された金額で取引している事例を見て、不動産業者と売却主の情報の非対称性に引っかかりを感じていたそうです。」
当時、相場が見られるサイトは無く、成約価格や競合事例といった情報は、業者間専用のレインズに閉じ込められており、こうした“情報の非対称性”が、売主の不利な意思決定を生んでいたのです。

ユーザーの方のメリットを考えて、やはり公平に取引すべきだという思いから、相場を調べデータを公開したのが始まりです。
東京23区から全国へ


売却は大きな判断なので、納得して進んでほしい。そのためには“判断に必要な数字”をまず売主の手元に届ける必要がある。
こうした思いから、2011年に東京23区マンションナビとして誕生したマンションナビ。
当初は東京23区に限定したサービスでしたが、現在では全国規模に拡張され、物件掲載数は14.3万棟、蓄積データは2.9億件を超えています。
価格を知る、売却益を試算するなど、“売却を判断するための情報”を届けること。そして、実際に売却を進めたくなった方には、信頼できる不動産会社とつながることのできる“一括査定サービス”を提供すること。
マンションナビは、創業当初から貫かれてきた“ユーザーファースト”の姿勢で、“情報収集から判断、そして行動”まで、売却に向けた一連のプロセスを“下支え”をしています。


“価格を見せる”から“判断できる”へ。背中を押してくれる数字の力





データとして取引事例を並べてもユーザーの方はあまりピンとこないと思うんです。
売却を検討する方の背中を押せる分析、数字の見せ方を工夫することで意思決定のサポートをしています。
そう話す担当者の言葉が象徴するように、マンションナビは“価格をただ見せる”のではなく、“数字で納得して動くための材料”を整えることに注力してきました。
マンションナビの「中古マンション査定シミュレーション」


なかでも大きな役割を果たしているのが、「中古マンション査定シミュレーション」です。マンション名を入力するだけで、過去の取引事例に基づいた概算価格が表示されます。
取引事例に加え、価格推移グラフや競合物件の比較データなども豊富に揃っており、「なぜこの価格になるのか」「売るなら今がいいのかどうか」といった判断を視覚的に支えてくれる仕組みが整っています。
「中古マンション査定シミュレーション」で確認できる主なデータ
「データを元にした相場に納得感を持っていただきたい。売却は感情ではなく、“根拠ある判断”で進めてほしい。」(担当者)
そのための数字を、マンションナビでは見ることができます。
「マンション売却シミュレーター」は多くのユーザーに活用されている


また、マンションを売ったあとに“どのくらいのお金が手元に残るのか”を知るための「マンション売却シミュレーター」も、ユーザーにとって大きな判断材料となります。
「不動産売却って、“手取りいくら残るか”がわからないと決断できないと思うんですよ。だからこそ、ローン残債や仲介手数料などを加味して、“実際の手残り額”が見えるようにしています」(担当者)
このような声に応えて開発された「マンション売却シミュレーター」も、現在では多くのユーザーに活用されています。



“とにかく使ってもらう”ではなく、ユーザーの方の“背中を押す”というのが私たちの目的です
担当者の言葉の一つ一つに、ユーザーの悩みや迷いに寄り添う姿勢が表れていました。
仲介手数料などの売却にかかる諸経費を自動で反映した“手取り額の見える化”は、売却に踏み出す前の大きな安心感につながっているようです。
インタビューを通じて見えてきたのは、「情報を押し付ける」のではなく、「判断の背中をそっと押す」。そんな姿勢を貫くマンションナビのあり方でした。
「こういうのが欲しかった」ユーザーの声が次々と反映される理由


マンションナビでは毎月ユーザーインタビューを実施し、ユーザーからの声をもとにサービス改善を重ねてきました。
「管理費と修繕積立金の推移を見られるようにしてほしいという声が、一定数あったので、物件ごとの価格履歴と一緒に表示できるようにしました」(担当者)
管理費や修繕積立金は、売却主であれば分かるので必要ないのでは?という思い込みを捨て、掲載するようにしたところ、想像以上にユーザーに見られていることが分かったそうです。
ユーザーへのインタビューやアンケートを通じて、売却の背景には必ず「購入を望む方」が存在するという気づきを得てからは、「売却と購入は表裏一体である」という意識を常に大切にしているとのことです。
売却に特化した情報サイトを、住み替えや購入を検討する方にも役立つ場へと広げることで、人生の大きな選択をする際に「そっと背中を押せるサービス」になることを目指しているそうです。
ユーザーからの声を受けて、それを具体的な機能として反映させる取り組みが、マンションナビの随所に見られます。
マンションナビのおすすめ機能は他にも


マンションナビには他にも機能が充実しています。
イイタン相談室


また、マンションナビで特筆すべきは、「イイタン相談室」です。
匿名で、いつでも何度でも不動産会社スタッフや弁護士、税理士、行政書士などの専門家に相談できる「イイタン相談室」は、担当者によると月に20,000人も訪れているそうです。
「“相談だけしたい”という声も多く、そういった方に使っていただけるように、イイタン相談室を用意しています。売却だけでなく、相続や購入、管理組合関連の質問も増えています。」(担当者)
気軽に相談でき、専門家から客観的な意見を得ることができる。不動産一括査定で提携している会社が回答する場合もあり、一括査定の前段階で信頼度をしっかりと把握できる点も魅力の一つのようです。
会員向け価格変動メール


また、マンションナビ会員の方には、毎月会員の方向けにお気に入り登録したマンションの価格変動をメールでお知らせしています。
売却のタイミングなどの情報がメールですぐに届くため、一度調べたことをまた調べ直す手間が省けます。これにより、売却活動をストップしていた方も再び動き出すきっかけになっているそうです。


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信頼できる会社とだけつながれる一括査定のしくみ


では、一括査定の面でのマンションナビの特徴はどのようなものだろうか。
「“一括査定”と聞くと、『一気に営業電話がかかってきそう』『どんな会社が出てくるか分からない』という不安の声を多く聞きます」
担当者はそう前置きしながら、マンションナビの査定パートナー管理の仕組みについて丁寧に教えてくれました。
マンションナビでは現在、全国1,800社(約2,500店舗)の不動産会社が一括査定の提携先として登録されています。
サービス利用時には、単に不動産会社からの依頼を受け付けるだけでなく、オフラインやオンラインで面談を実施し、人柄や対応姿勢を確認することを必須としています。
さらに、提携後も“査定依頼社様を紹介して終わり”ではなく、やり取り中のクレームや不信感がユーザー側から寄せられた場合、即時に該当業者へヒアリングし、必要に応じて契約解除も辞さない姿勢を取っています。



大事なのは、ユーザーの方にメリットを感じてもらうことです。ユーザーの方の売却成功が私たちのゴールでもあります。
この言葉のとおり、マンションナビの査定システムは、単なる送客プラットフォームではなく、“売主の立場で伴走する”設計になっていることがわかります。



価格が分かって、信頼できる担当者と出会えたら、自然と売却に踏み出せる。私たちは、その“安心のきっかけ”をつくる存在でありたいと思っています
顔が見えにくいネットの世界だからこそ、丁寧な査定会社選びと、継続的なモニタリングこそが、ユーザーとの信頼構築に不可欠——。
そんな価値観が、マンションナビの仕組みの中に根づいていることが一括査定での姿勢からも感じました。


売却一括査定飽和時代のマンションナビの針路


現在、売却一括査定マーケットは飽和状態になりつつありますが、この状況をマンションナビはどのように捉えているのでしょうか。
マンションナビでは現在、敢えて広告を少なくしているそうです。一見市場の動きと正反対のような戦略をとっている理由は何故でしょうか。
その答えは担当者の言葉から見えてきました。
「マンションナビでは、売却を真剣に考えている人を適切な不動産会社に繋ぎたい、そして誰もが幸せになれる売却を実現することを目指しています。」(担当者)
人と人をつなぎ、満足のある取引を実現する。
マンションナビは、単に多くの閲覧数や申込者数を追うのではなく、質の高いユーザー体験を追求することで、お客様に真の価値を届けられると信じ、唯一無二のサービスを目指しています。
「住まいの選択肢をひっくり返す」マンションナビが描く未来





マンションナビが思い描く未来は「住まいの選択肢をひっくり返す」です
「“売るかどうか決めかねている”という方の相談も増えているんです」
これまでの“売却検討者向けサービス”という位置づけから、マンションナビは今、より幅広い「住まいの意思決定」に寄り添うサービスへと進化を目指しています。
「売却するか賃貸に出すか迷っている方、住み替えるかリフォームするか悩んでいる方……。判断に迷ったとき、誰かに営業されるのではなく、“まず自分で整理できる場所”があってほしいと思っています」
そうしたニーズに応えるため、マンションナビではさらなるデータ導入も検討しています。
また前述したように、「購入」タブも設置しコンテンツを増やすなど、これまで以上に、住まいの選択肢を比較・検討しやすくなるような設計が意識されています。



『マンションナビ』というと、“相場サイト”のイメージがまだまだ強いですが、目指すところは“住まいのダッシュボード”のような立ち位置です。
“ダッシュボード”という言葉には、すべての住まい情報が一元化され、自分の暮らしに合った選択肢を見つけられるプラットフォームになりたいという想いが込められています。
売却を「判断」する前段階から、実際の取引、そしてその後の生活に至るまで——。
マンションナビが描いているのは、“取引の一瞬”を支えるサービスではなく、“住まいと向き合うプロセス”すべてを支える存在です。
インタビューで見えてきた、マンションナビが果たしている役割


今回の取材を通して、マンションナビは「不動産の相場サイト」「一括査定サービス」という言葉では語りきれないサービスだということが、徐々に見えてきました。
「“まず価格を知ること”が売却の第一歩」とはよく言われますが、マンションナビが行っているのは、その一歩を“迷わず・納得して”踏み出せるようにすること。そして、そのための情報と仕組みを徹底的に整えることです。
すべてのサービスや機能には、ユーザーに“押しつける”のではなく、“自分で選び取ってもらう”という思想が貫かれていました。
とくに印象的だったのは、担当者が繰り返し口にしていた「信頼性のあるデータで売却を検討している方の背中を押したい」という言葉でした。
情報の非対称性をなくし、透明性を持ってユーザーに開いたサイト設計。
査定会社の選定・モニタリングの裏にある、売主視点の徹底。
そして、価格だけでなく「何が自分にとってベストな選択か」を判断できるようになるための“住まいのダッシュボード”という未来像。
マンションナビは、不動産取引という人生の大きな決断において、正面から向き合い、寄り添うパートナーのような存在でした。
まとめ:まずは“数字”を見て、落ち着いて考えるという選択肢を


ビッグデータを使い、ユーザーの方が安心感を持って取引できるよう背中を押す、マンションナビはマンション売却においてセカンドオピニオンのような存在です。
「いま本当に売るかどうかは決まっていない。でも、売却に向けて真剣に考えたい」
そう思っている方にこそ、マンションナビはぴったりのサービスかもしれません。
理由は大きく3つあります。
まずマンションナビのサイトを訪れることで、見えてくるものがあるでしょう。


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