不動産売却の仲介会社選びはネット情報でどう変わる?|200人調査で分かったネット情報の使い方

インターネットが当たり前となった現在、不動産売却を考え始めたときには多くの人がインターネットで情報を探し始めます。
不動産売却の情報収集では、売却相場の確認だけでなく、どの不動産会社に相談するか、仲介会社への依頼をどう判断するかも重要になります。
「うちの家はいくらで売れるのか」「どの会社に頼めばいいのか」といった疑問を抱えながら、検索を重ねた経験がある方も多いのではないでしょうか。
では実際に売却を経験した人は、ネット上でどんな情報を調べ、どうやって会社を選んだのでしょうか。
あなぶき興産では、株式会社市場開発研究所の協力のもと、中四国・九州・関西エリアで過去5年以内に居住用不動産を売却した経験者を対象にアンケート調査を行いました。
本記事では、アンケート調査の結果をもとに、検討初期の情報収集から依頼先の決定までの情報収集の実態をお伝えします。
【この調査から見えた6つのこと】
下記クリックで記事内の該当箇所をご確認いただけます。お急ぎの方におすすめです。
結論|不動産売却でネット情報はどう使われる?不動産会社選びの流れを調査

本調査の結果からは、売却経験者の行動パターンとして、「ネットで情報を集め、最終的には人を見て判断する」というプロセスが浮かび上がりました。
ネット検索や公式サイトの確認は、単に会社を知るためだけでなく、不動産会社の比較にも使われています。
ただしそのプロセスは一様ではなく、個人によって情報の集め方も、判断の根拠も異なります。
検討の入口は、一つではありません

不動産会社を最初に知ったきっかけは、知人・友人・親族からの紹介が31.5%となり、インターネットから(インターネット検索やポータルサイト、一括査定サイト、広告の合計)は約38%となりました。
利便性の高い「ネット検索」と、信頼性の高い「人づての紹介」という、デジタルとアナログ両方の窓口がバランスよく選ばれていることを示しています。
「売却を考えたらまずネット」という人も、「知り合いの紹介で決めた」という人も、それぞれ一定数いるのが実態です。
検討初期は「基礎情報」を幅広く調べるものの、判断に使える情報には不足感が残る

検討を始めた段階でネットに求める情報は、売却相場(44%)、売却の流れ・手続き(33.5%)、税金・費用(32%)など、まず全体像をつかむための情報が中心です。
一方で、探しても十分に見つからなかったと感じた人は71%にのぼります。
地域に特化した具体的な相場データ、担当者個人の実績、トラブル事例の詳細など、「判断に直結する情報」ほどネット上では得にくい、という傾向が明らかになりました。
公式HP・口コミ・広告は、比較検討の場として機能

候補となる会社を絞り込む段階では、65%がその会社の公式ホームページを確認しています。
また、Googleマップの口コミや掲示板などで第三者の評判を調べた人は63.5%にのぼりました。
広告についても、「名前を覚えて後で検索するきっかけになった」という回答が26.5%あり、直接的な誘導以外の形でも影響を与えていることがわかります。
最後の決め手は、担当者への信頼

依頼先を決めた最大の理由として「担当者の知識・提案力・人柄への信頼」を挙げた人が24.5%と最多でした。
地域での実績・知名度(17.5%)、知人からの紹介(17%)と続きます。
ネットで情報を集め、複数社を比較したうえで、最終的には「この人に任せたい」という判断が決め手になるケースが多いことが示されています。
一括査定を利用したかどうかで、ネット行動は大きく変わる

不動産一括査定サイトに申込んだグループと利用しなかったグループを比較すると、ほぼすべての項目で情報収集に対する積極性や徹底度に大きな差が見られました。
HP確認率(92% vs 56%)、口コミの積極的な確認(62% vs 9.3%)、複数社比較(88% vs 44.7%)など、一括査定を使った人ほどネット上での情報収集が能動的かつ広範囲に及ぶ傾向が見られました。
以降では、調査概要をはじめ各設問の結果を順番に詳しく見ていきます。


調査概要|不動産売却経験者200人に聞いたネット情報の利用実態

本記事は、不動産売却を経験した人が、仲介会社の選定過程でインターネット上の情報をどのように活用していたのかを把握するために実施したアンケート調査の結果をもとに構成しています。
この調査はあなぶき興産が株式会社市場開発研究所の協力により2025年12月に行ったものです。
調査回答者




調査対象は、中四国・九州・関西エリアに居住し、過去5年以内に住宅(ご本人やご家族のための居住用不動産)の売却を経験した方です。
本調査では、あなぶき興産の事業展開エリアとの親和性を踏まえ、不動産会社選びにおける地域性を確認しやすい西日本エリアを対象としました。
売却方法は「仲介」のみを対象としており、不動産会社に直接買い取ってもらった「買取」や、知人・親族への直接売却は含まれません。有効回答数は200名です。
回答者の属性は以下の通りです。
| 性別 | 男性76.5%、女性23.5% |
| 年代 | 30代16.5%、40代19%、50代17.5%、60代24%、70代23% |
| 売却時期 | 過去1年以内29.5%、1〜3年以内42%、4〜5年以内28.5% |
| 主な居住エリア | 大阪府27%、兵庫県15.5%、福岡県9.5%、京都府5.5%など |
調査で確認した内容
本調査では、売却の検討から依頼先の決定までのプロセス全体にわたって、インターネット上の情報との関わり方を確認しています。具体的には以下の項目を設問として設けました。
- 仲介会社を最初に知ったきっかけ(Q1)
- 検討初期にネットで検索した情報の内容(Q2)
- ネット広告の接触状況と印象への影響(Q3)
- 候補会社の公式HPを見たかどうか、何を確認したか(Q4・Q5)
- ネット上で不足を感じた情報(Q6)
- 口コミ・第三者評判の確認状況(Q7)
- 最初の問い合わせ手段(Q8)
- 比較検討した会社の数(Q9)
- 依頼先を決めた最大の理由(Q10)
グループ比較について

記事後半の比較編では、一括査定サイトへの申込状況を基準に、回答者を以下の2グループに分けて分析しています。
- 一括査定グループ(n=50):「物件情報を入力して査定申込をした」と回答した人
- 非一括査定グループ(n=150):「サイトは見たが申込はしていない」または「見ていない・利用していない」と回答した人
この比較を通じて、一括査定の利用有無によってネット上の情報収集行動にどのような違いが生まれるのかを確認します。
不動産会社を知ったきっかけは?ネット検索・紹介・一括査定サイトの違い

売却を依頼した不動産会社を、最初にどのようにして知ったのか。調査(Q1)の結果から、入り口となるきっかけはどこか一か所に偏るのではなく、さまざまなルートに分かれていることがわかりました。
最多は知人・友人・親族からの紹介で31.5%
最も多かった回答は「知人・友人・親族からの紹介」で31.5%(63名)でした。
不動産売却という人生であまり経験しない出来事において、身近な人の経験や推薦が会社を知る入口となっているケースが依然として多いことがわかります。
折込チラシやダイレクトメールが8.5%、会社の看板や店頭の張り紙が11.5%と、オフラインの接点からも一定数の回答が見られました。
特に看板・店頭は、普段の生活の中で自然と目にする機会が多いことが、会社を知るきっかけにつながっているようです。
ネット経由を合計すると約38%、紹介を上回る規模に
一方、インターネット経由の接点を合計すると、全体の約38%に達します。内訳は以下の通りです。
- インターネット検索(Google・Yahoo!などの検索結果):13%
- 不動産ポータルサイト(SUUMO・アットホームなど):12.5%
- 一括査定サイト(LIFULL HOME’S・すまいValueなど):7%
- Web広告(バナー・SNS・検索結果上部の広告):5.5%
個別に見れば知人紹介が最多ですが、インターネット経由の項目(各経路)を合算すると、知人紹介を上回る規模になります。売却検討の入口として、インターネットはすでに無視できない接点になっていることが示されています。
なおChatGPTやGeminiなどの生成AIをきっかけに会社を知ったという回答は確認されませんでした。
ネット・知人の紹介、それぞれのメリットをいかした情報収集
知人からの紹介、自分でのネット検索、ポータルサイトの閲覧、日常で目にするチラシや看板など、人によって情報の集め方はさまざまで、それぞれのライフスタイルに合った接点から検討が始まっています。
ネットでは自分のペースで、すぐ調べられる、時間をかけずに複数の会社を見比べられる、といったことが可能な一方、知人紹介は実体験や、会社・担当者の印象など「生の評価」が入手でき安心感を得られます。
仲介会社選びの入口では、ネットと知人紹介のいずれか一方ではなく、それぞれの特性を補い合いながら情報収集が進められていると考えられます。
不動産売却で最初に検索される情報は?検討者の不安ポイントとは?

会社を知るきっかけが人それぞれだったように、検討の第一歩としてネットに求める情報も多岐にわたります。
ここでは、200名の売却経験者が「まず最初に何を調べたのか」をアンケート結果(複数回答)から見ていきます。
最多は「売却相場・価格の目安」で44%
検討初期に最も多く検索されたのは「売却相場や価格の目安に関する情報」で、44%(88名)が回答しました。
検討初期では、まず売却相場の確認から始める人が多いことがわかります。
売却を考え始めた段階では、「自分の物件はいくらで売れるのか」「希望に近い価格で売却できるのか」という問いが最初に頭に浮かぶのは自然なことです。
いくらで売れるかを知ることが、その後の計画を立てるための大切な基準になるからだと考えられます。
「費用」「方法の違い」「会社の評判」が30%台で続く
次いで多かったのはメリット・デメリット、仲介手数料などの費用、不動産会社の特徴や実績に関する以下の項目です。
- 仲介・買取など売却方法の違いとメリット・デメリット:31.5%
- 税金・控除・仲介手数料など費用に関する情報:32%
- 不動産会社の特徴・得意領域・過去の実績・評判:31%
- 売却の流れ・必要書類など手続きに関する情報:33.5%
これらの項目はどれも30%前後と同じくらいの割合になっており、「いくらで売れるか」を確認した後、「どう売るか」「費用はいくらかかるか」「どの会社に頼むか」という問いが並行して調べられていることがわかります。
データからわかる売却者の不安ポイント
注目すべきは、「不動産会社の特徴・実績・評判」が31%と、検討初期から会社比較のための情報収集がすでに始まっている点です。
また「トラブル事例やリスクに関する情報」というマイナス面の情報収集も24.5%が検索しています。
これらのことから、検討者が不動産売却に対し、会社選びを間違えて失敗したくない、トラブルに巻き込まれたり、リスクを負わないために知識をつけなければならないと考えていると推察されます。
一方、「営業担当者の実績・専門分野・対応品質に関する情報」を検索した人は15.5%と、他の項目と比較して低い水準でした。こちらについては後ほど説明します。
「まず全体像をつかむ」段階の情報収集
これらの結果から見えるのは、検討初期のネット検索が「まず全体像をつかむ」ための行動であるということです。
相場・費用など基礎知識を幅広く集めながら、同時に「どの会社に頼むか」の比較も進めていくというように、段階的に情報を深めていくプロセスがデータから読み取れます。
ただし、こうして幅広く情報を集めても、判断に直結する具体的な情報が十分に得られるとは限りません。次はネット上で「見つからなかった情報」「もっと知りたかった情報」について確認します。
ネット情報で足りなかった情報は何か?査定根拠・担当者・トラブル事例

検討初期には相場・手続き・費用・会社の評判など、幅広い情報がネットで調べられていました。
では実際に、その情報収集は十分だったのでしょうか。本設問では「探しても見つからなかった情報」「もっと詳しく知りたかった情報」を複数回答で尋ねました。
判断に直結する情報が不足している
「探していた情報は十分に見つかった」の回答もあったものの、以下の割合で不足を感じたとの回答が得られました(複数回答、n=200)。
| 探しても見つからなかった/もっと詳しく知りたかった情報 | 回答数 |
| 地域特化の非常に細かい売却相場データや事例 | 49 |
| 売却の流れや手続きの中での具体的な進め方 | 44 |
| 売却後のトラブル事例やその回避方法・解決策 | 44 |
| 仲介・買取など売却方法の違いや詳しいメリット・デメリット | 44 |
| 仲介手数料や税金について分かりやすい図解・計算例 | 44 |
| 担当者個人の具体的な実績や専門分野に関する情報 | 40 |
| 不動産会社の裏側の事情や本音 | 37 |
| 探していた情報は十分に見つかった/特に不足は感じなかった | 58 |
| その他 | 11 |
不足情報の回答を見ると、ネットでは売却やその依頼先を判断するための情報が得られないという実態が見えてきました。
相場や手続きの流れといった「一般的な基礎情報」は比較的得やすい一方で、「自分のエリアでの具体的な相場」「この会社の担当者は実際にどうなのか」「費用を自分のケースで計算するとどうなるか」といった、判断に直結する具体的な情報ほど見つかりにくいという傾向です。
最多だった「地域特化の細かい相場データや事例(24.5%)」は、まさにこのギャップを象徴しています。
「○○市の一戸建ての相場」のような一般情報は得られても、「自分の物件のある地区・築年数・広さなどの条件で実際にいくらで成約したか」という具体的な事例は、ネット上では容易に見つかりません。
地域相場だけでなく、マンション・一戸建て・土地など物件種別ごとの違いまで確認できる情報は限られています。
費用の「見える化」への需要も高い
不足を感じた情報として、「仲介手数料や税金について、分かりやすい図解・計算例(22%)」という回答も目立ちます。
制度の概要は調べれば出てきますが、自分のケースに当てはめたときに実際いくらかかるのかを、わかりやすく示した情報は少ないと感じている人が多い様子です。
数字が絡む情報ほど、具体性と分かりやすさの両立が求められていると言えます。
担当者個人の情報への需要も無視できない
「担当者個人の具体的な実績や専門分野(20%)」「不動産会社の裏側の事情や本音(18.5%)」といった回答も一定数見られました。
前章の「まず最初に調べた情報(Q2)」では、検討初期に担当者個人の情報を調べた人は15.5%にとどまっていましたが、「調べたくても見つからなかった」という不満として、この段階で浮上している可能性があります。
会社単位の情報は得られても、実際に担当する人物の情報にはアクセスしにくい、という実態が見えます。
担当者の対応や専門分野に関する情報は、依頼先を判断するうえで重要であるにもかかわらず、ネット上では見つけにくい傾向があります。
この不足感が、次の行動につながっている可能性
ネット上で判断情報を十分に得られなかった人が、候補会社の公式HPを確認したり、口コミを調べたり、直接問い合わせて話を聞くという次のプロセスに進んでいきます。
こうした不足感が、公式HPや口コミ、問い合わせなど次の情報収集行動につながっている可能性があります。
不動産会社の公式サイトで確認される情報|実績・査定根拠・口コミ

ネット上で基礎情報を集め、候補となる会社がある程度見えてきた段階で、次に多くの人が向かうのが「その会社の公式ホームページ」です。
本調査では、候補会社のホームページを実際に確認したかどうか(Q4)と、確認した人がどの情報に時間をかけて見たか(Q5)を尋ねました。
ホームページを確認した人は65%

Q4の結果は以下の通りです(n=200)。
- 必ず見た:34%
- 一部の会社は見た:31%
- 見ていない(チラシや担当者の面談で判断したため):35%
「必ず見た」「一部の会社は見た」を合わせると65%が候補会社のホームページを確認していました。
約3人に2人が、比較検討の段階でホームページを判断材料として活用していることになります。
一方で35%は「見ていない」と回答しています。
チラシや担当者との面談など、オフラインの情報だけで判断を進めた人も一定数おり、ホームページの参照が必須になっているわけではありません。
ただし、過半数がホームページを確認していることから、公式HPが「どの会社に依頼するか」を判断するための重要な場所になっていることがわかります。
ホームページで時間をかけて見た情報(Q5)

Q5は、Q4で「必ず見た」または「一部の会社は見た」と回答した130名を対象に、公式ホームページの中で特に時間をかけて確認した情報を最大3つまで選んでもらったものです(複数回答、n=130)。
結果は以下の通りです。
- 会社の概要・所在地・沿革・免許番号などの基本情報:45.4%
- 地域での成約実績・事例:43.8%
- 査定価格の算出根拠やプロセス:34.6%
- お客様の声・レビュー:30%
- 売却に関するコラム・ノウハウ記事:23.8%
- 担当者の顔写真や紹介:22.3%
- 特に時間をかけた情報はない:6.2%
最多は「基本情報」、「査定根拠」「口コミ」への関心も高い
最も多く確認されたのは「会社の概要・所在地・沿革・免許番号などの基本情報」で45.4%でした。
まず「この会社は信頼できるか」「実在する会社か」を確認するための情報として、基本情報が最初に見られている様子が読み取れます。
次いで多かったのは「地域での成約実績・事例」で43.8%でした。
Q6で「地域特化の細かい相場データや事例」が最も不足していた情報として挙げられていたことと対応しており、検討者がホームページ上でもまずこの情報を探している実態が見えます。
「査定価格の算出根拠やプロセス」を確認した人は34.6%でした。
査定価格の高さだけでなく、「なぜその価格なのか」というへの根拠への関心が一定数あることがわかります。
単に高い査定額を提示するだけでなく、その根拠を丁寧に示すことが、検討者の納得感につながる可能性を示唆しています。
「お客様の声・レビュー」も30%が確認しており、公式HP上の第三者的な評価情報も比較検討の材料として参照されていることがわかります。
「担当者の顔写真・紹介」は22.3%
「担当者の顔写真や紹介」を確認した人は22.3%でした。
検討初期(Q2)に担当者情報を調べた人は15.5%でしたが、Q6の結果でも触れた通り、これは関心が低いわけではなく「ネット上で見つからなかった」ということが影響していると考えられます。
実際、ホームページを見る段階で2割超の人が担当者情報をチェックしており、初期に得られなかった情報を公式HPで補おうとする行動がうかがえます。
公式HPで見た情報と、不足を感じた情報のギャップ
ここで、Q6(ネットで不足を感じた情報)とQ5(公式HPで確認した情報)とを並べてみます。
| 情報の種類 | Q5:HPで確認した(n=130) | Q6:不足を感じた(n=200) |
|---|---|---|
| 地域の成約実績・事例 | 43.8% | 24.5% |
| 査定価格の根拠 | 34.6% | — |
| 担当者の実績・専門分野 | 22.3% | 20% |
| 費用の図解・計算例 | — | 22% |
| トラブル事例と回避法 | — | 22% |
公式HPで「見た」情報と、それでもなお「不足を感じた」情報は、必ずしも一致していません。
地域の成約実績はホームページでも確認されていますが、それでも不足感が残っている人が24.5%います。
これは、情報自体は掲載されていても「自分のケースに当てはめるには具体性が足りない」と感じられているためと考えられます。
また、費用の図解・計算例やトラブル事例といった情報は、Q5でほとんど選ばれていません。
これはホームページ上でそもそも掲載されているケースが少なく、見つけられなかった可能性があります。
ホームページは「信頼の確認と比較の場」
これらの結果をまとめると、公式ホームページは「この会社は本当に信頼できるか?」を確認し、「他社と比べてどこが良いのか?」を見極めるための大切な判断材料を集める場になっていると言えます。
特に、前の章の不足を感じた情報(Q6)のデータで「担当者個人の情報が調べても見つからない」という不足感が出ていたことを考えると、検討者はホームページを見ることで、ネット上で唯一得られる『公式な手がかり』から、会社や担当者の実力などの実態を読み取ろうとしている様子がうかがえます。
一方で、担当者個人の情報や費用の具体的な計算例、トラブル事例といった情報は、ホームページ上で十分に提供されていないケースが多く、不足感として残りやすいことも示されています。
広告・口コミは不動産会社選びにどう影響する?

公式ホームページで会社の基本情報や実績を確認するのと並行して、広告や口コミといった第三者的な情報にも触れている人が一定数います。
検索ユーザーは、公式情報だけでなく、第三者の評価もあわせて確認しながら候補を絞り込んでいると考えられます。
本調査では、ネット広告の接触状況とその印象への影響(Q3)、および口コミ・第三者評判の確認状況(Q7)を尋ねました。
広告を「見た記憶がない」人は29%、7割以上は何らかの形で広告に触れていた

Q3の結果は以下の通りです(n=200)。
- 広告をよく見ており、積極的に広告を出している会社に好印象を持った:22%
- 広告を何度か見たことで名前を覚え、後で検索するきっかけになった:26.5%
- 広告は見かけたが、特に印象や行動に影響しなかった:19.5%
- 広告が多すぎると感じ、かえって不信感を持った:3%
- インターネット上で不動産売却の広告を見た記憶はない:29%
「広告を見た記憶がない」と答えた人は29%で、逆に言えば71%が何らかの形でネット広告に接触していたことになります。
広告の最大の役割は「名前を覚えてもらうこと」
広告を見た人の中で最も多かった反応は「名前を覚えて、後で検索するきっかけになった」の26.5%でした。
「広告を見てすぐに決める」というよりも、無意識のうちに会社名を覚え、いざという時の検索のきっかけになっているようです。
また、「よく見かける会社」という安心感が信頼の入り口になっているケースも22%あり、まずは会社の存在を知り、検討リストの第一歩になっていると言えそうです。
「不信感」を持った人はわずか3%
「広告が多すぎてかえって不信感を持った」と感じた人はわずか3%にとどまりました。
ネットで特定の会社の広告を頻繁に見かけることがあっても、それが原因でその会社を嫌いになったり、候補から外したりする人はごく少数です。
むしろ、多くの人にとっては「よく見かける名前」としての安心感につながっていることが見て取れます。
口コミを確認した人は合計63.5%

口コミ・第三者評判の確認状況(Q7)の結果は以下の通りです(n=200)。
- 強く意識してGoogleマップの口コミや掲示板を確認した:22.5%
- 参考程度に確認した:41%
- 全く確認しなかった:36.5%
「強く意識して確認」と「参考程度に確認」を合わせると63.5%が、会社を絞り込む段階で第三者の評判をネット上で調べていました。
公式ホームページの確認率65%とほぼ同水準であり、口コミもホームページと並ぶ重要な情報源として機能していることがわかります。
「参考程度」が最多、口コミは補助的な情報源
選択肢のうち、最も多く選択されたのは「参考程度に確認した」の41%です。
「強く意識して確認した」人と「参考程度に確認した」人を合わせると、6割以上の人が口コミをチェックしています。
ただ、口コミだけで会社を決めるというよりは、他の情報とセットで考えるための「サブ的な情報」として使っているようです。
その一方で、口コミはまったく見ないという人も3割以上いました。
ネットの評判をどれくらい気にするかは人によって分かれており、自分なりの調べ方があることがわかります。
広告と口コミ、それぞれの役割
Q3とQ7の結果を合わせて考えると、広告と口コミはそれぞれ異なる役割を担っていることが見えてきます。
| 情報源 | 主な役割 | 接触・確認した割合 |
|---|---|---|
| ネット広告 | 認知の形成、検索のきっかけ | 71% |
| 口コミ・第三者評判 | 信頼性の検証、絞り込みの補助 | 63.5% |
ネットの広告で、会社の存在を知ったり、「そういえばこんな会社があったな」と思い出し、口コミを見て「ここなら安心かも」と候補を絞り込んでいく。
このように、公式HP・広告・口コミという色々な情報を上手に組み合わせて会社を選んでいるのが、今の売却検討者の姿といえそうです。
次の章では、情報収集を終えて候補が絞れてきたとき、最初にどのような手段で会社に連絡を取ったのかを確認します。
不動産会社への最初の問い合わせ方法は?

ネットで情報を集め、公式HPや口コミを確認しながら候補会社をある程度絞り込んだ段階で、次に必要になるのが「実際に連絡を取る」という行動です。
本調査では、候補の不動産会社への最初の問い合わせをどの手段で行ったかを尋ねました。
最多は「電話」で44%、Webフォームが26.5%で続く
Q8の結果は以下の通りです(n=200)。
- 電話:44.0%
- Webフォーム:26.5%
- 店舗に直接来訪:18.0%
- LINEやチャット:8.0%
- その他:3.5%
最も多かった問い合わせ手段は「電話」、次いで「Webフォーム」、「店舗への直接訪問」となりました。
ネットで調べても、最初の連絡は電話が最多
多くの人がネットで幅広く情報を集め、公式HPや口コミも入念にチェックしていましたが、いざ「問い合わせよう」となった時に最も選ばれていたのは、電話でした。
ネットで便利に情報を集める一方で、具体的な相談をする段階では「まずは直接話して確かめたい」と、コミュニケーションの手段を切り替えている様子が見て取れます。
不動産売却は金額が大きく、個人的な事情も絡みやすい取引です。査定を依頼したり、会社の対応を直接確かめたりするためには、メールやフォームよりも電話のほうが早く、スムーズに相談を進められると判断される場合が多いのかもしれません。
「店舗に直接訪問した」という回答も18%ありました。日常的に目にしていた会社の店舗に足を運ぶ、あるいは自宅・職場から近い会社を選ぶといった行動が、一部の検討者には自然な選択肢になっているようです。
Q1で「会社の看板・店頭の張り紙」が11.5%いたことと合わせて考えると、オフラインの接点から始まり、最初の問い合わせもオフラインで完結するケースが一定数あることがわかります。
Webフォームも26.5%と一定の存在感
一方、「Webフォーム」での問い合わせも26.5%と、電話に次いで多く選ばれていました。
時間を問わず送信できる、言葉を選んで書き込める、といったWebフォームの特性が、一部の検討者には使いやすいと感じられている様子が見られます。
電話が苦手な人や、まずは軽い気持ちで問い合わせたい人にとって、Webフォームは問い合わせへの心理的なハードルを下げる手段として機能していると考えられます。
一方で、「LINEやチャット」での問い合わせは8%にとどまりました。
近年、不動産会社のサイトにチャット機能を導入するケースが増えていますが、最初の問い合わせ手段としてはまだ一般化していない実態が示されています。
利便性の高さは認識されつつあるものの、「不動産売却の相談をチャットで始める」という行動が習慣として定着するにはもう少し時間がかかりそうです。
ただし、Webフォームでの問い合わせが26.5%、LINEやチャットが8%と、デジタル経由の問い合わせを合計すると34.5%に達します。
電話・来店といったオフライン経由(62%)が依然として多いものの、オンラインでの問い合わせも着実に一定の割合を占めていることが分かりました。
問い合わせ手段は、情報収集スタイルと必ずしも一致しない
この結果が示す重要な点は、「ネットで情報を集めた人が必ずしもWebで問い合わせるわけではない」ということです。
問い合わせ手段は、その人の習慣や状況、会社に対して感じる心理的な距離感によって選ばれており、情報収集はデジタルで行いながら、最初の接触はアナログな手段を選ぶ人が多く、その逆もあると考えられます。
不動産会社は何社比較された?依頼先を決めた理由と判断ポイント

情報を集め、問い合わせを行い、候補となる会社とのやり取りを重ねた末に、最終的にどう絞り込み、何を決め手にしたのか。
検討プロセスの終盤にあたるこのセクションでは、実際に面談や査定依頼を行った会社の数(Q9)と、依頼先を決めた最大の理由(Q10)を確認します。
「1社のみ」、「2〜3社」が多い

Q9の結果は以下の通りです(n=200)。
- 1社のみ:44.5%
- 2〜3社:42.5%
- 4〜5社:10.5%
- 6社以上:2.5%
最も多かったのは「1社のみ」の44.5%でした。知人からの紹介や日頃から目にしていた会社など、最初から信頼できると感じた会社に絞って相談し、そのまま依頼に至ったケースが多いと考えられます。
一方、2〜3社を比較した人も42.5%おり、複数社の査定や面談を経て判断する人も「1社」と同程度います。
複数社を比較するメリットは、査定価格だけでなく、担当者の対応や提案内容の違いを見極められる点にあります。
しかし、「4〜5社」は10.5%、「6社以上」は2.5%にとどまっており、多数の会社を並行して比較するケースは少数派であることがわかります。
インターネットや一括査定によって複数社へのアクセスが容易になっているにもかかわらず、実際に面談や査定依頼まで進む会社の数は限られている様子が見えます。
情報収集の段階では幅広く調べても、実際に動く段階では候補を絞って相談する人が多いということです。
4社以上を比較した人は合計13%にとどまりました。
決め手は「担当者の知識・提案力・人柄への信頼」

Q10の結果は以下の通りです(n=200)。
- 担当者の知識・提案力・人柄への信頼:24.5%
- 地域での実績・知名度:17.5%
- 知人・友人からの紹介:17%
- 査定価格の高さ・根拠への納得感:13%
- 自宅・職場から近い:9.5%
- 会社のサイト・資料の印象が特に良かった:6.5%
- 手数料の安さ・特別なサービス:6.5%
- その他:5.5%
最も多かった決め手は「担当者の知識・提案力・人柄への信頼」の24.5%でした。
ネットで情報を集め、公式HPや口コミも確認しながら検討を進めても、最終的な決断において最も大きく影響したのは、実際に会って話した担当者への信頼感だったということです。
不動産売却では、査定依頼から媒介契約、売買契約へと進むため、契約前の段階で信頼できる相手かどうかを見極めることが重要です。
ただし、この24.5%が最大値であるという点も重要です。
4人に1人が担当者を決め手にしている一方で、残りの4人に3人はそれ以外の理由を挙げています。
複数の判断軸が人によって異なっていることがわかります。
「地域実績・知名度」「知人紹介」が17%台で続く
「地域での実績・知名度」が17.5%、「知人・友人からの紹介」が17%と、ほぼ同水準で続きます。
Q1で知人紹介が最多の接点だったことと対応しており、最初の接点が知人紹介だった場合、そのままの流れで依頼に至るケースが多いことが読み取れます。
地域での実績・知名度については、大手の不動産会社かどうかだけでなく、日頃から目にしていた会社、地元での存在感が判断材料になっていると考えられます。
査定価格やWebサイトの印象は決め手になりにくい
「査定価格の高さ・根拠への納得感」を決め手にした人は13%でした。
査定価格は比較検討において重要な情報の一つですが、それだけを決め手にした人は少数派です。価格の高さよりも、担当者の人柄や地域での信頼感が最終判断に影響しやすいことが示されています。
また、「会社のWebサイト・資料の印象が特に良かった」を決め手にした人は6.5%でした。
Q4で65%がホームページを確認していたことを踏まえると、「見た」人のうち最終的な決め手としてサイトの印象を挙げた人は一部にとどまることになります。
ホームページは「信頼性の確認と比較の場」として機能しているものの、それ単体が最終決断を左右するケースは多くないという実態が見えます。
ネットで調べ、人を見て決める
Q9・Q10の結果を合わせると、不動産売却における仲介会社選びのプロセスの全体像が見えてきます。
検討初期にはネットで幅広く情報を集め、公式HPや口コミで候補を絞り込みながら、最終的には実際に担当者と話した印象・信頼感が決断を後押しする。このプロセスが、調査全体を通じて一貫して示されています。
デジタルの情報収集は検討を進める上で欠かせないものになっている一方で、高額かつ個人的な取引における最終的な信頼は、画面の外の「人との接点」によって形成されていることが、この結果から改めて確認できます。
一括査定の利用有無でネット行動はどう違うのか?(比較編)

ここからは、全体集計(n=200)とは視点を変え、一括査定サイトの利用状況(SQ4)を基準にした2グループの比較を行います。
本比較では、SQ4の回答に基づき以下の2グループを設定しています。
- 一括査定グループ(n=50):「物件情報を入力して査定申込をした」と回答した人(全体の25%)
- 非一括査定グループ(n=150):「サイトは見たが申込はしていない」または「見ていない・利用していない」と回答した人(全体の75%)
一括査定を利用した人とそうでない人では、不動産売却における情報収集の進め方に明確な違いが見られました。
一括査定グループは、検討初期からネットを中心に複数の情報を横断しながら比較を進める「デジタル活用型」の行動を取っています。
一括査定サイトや無料査定サービスは、複数の不動産会社と接点を持つきっかけになりやすいものです。
一方、非一括査定グループは、知人紹介やオフラインの接点を起点に、比較をあまり行わずに意思決定する傾向が見られました。
両者の違いを整理すると、以下の表の通りになります。
| 比較項目 | 一括査定グループ | 非一括査定グループ |
|---|---|---|
| 仲介会社の認知経路 | ネット中心(80%) | 紹介中心(38.7%) |
| 会社・担当者情報の検索 | 高い | 低い |
| 広告接触率 | 94% | 63.3% |
| ホームページ確認率 | 92% | 56% |
| 口コミ確認率 | 96% | 52.6% |
| デジタル経由問い合わせ率 | 78% | 約20% |
| 複数社比較率 | 88% | 44.7% |
| 意思決定の進め方 | 比較前提で判断 | 1社で決断が多い |
| 最終的な決め手 | 担当者への信頼 | 担当者への信頼 |
一括査定グループは「最初から比較前提」で動いている
一括査定グループは、会社や担当者を比較するための情報を検討初期から幅広く収集しています。
特に「担当者の実績・専門分野」(40% vs 7.3%)や「不動産会社の評判・実績」(50% vs 24.7%)といった比較・評価に直結する情報の検索割合に大きな差が見られました。
また、公式HPの確認率は92%、口コミ確認は96%と、情報収集の深さも際立っています。
| 検索した情報 | 一括査定グループ | 非一括査定グループ |
|---|---|---|
| 売却相場・価格の目安 | 50% | 42% |
| 売却の流れ・手続き | 40% | 31.3% |
| トラブル・リスク | 38% | 20% |
| 不動産会社の評判・実績 | 50% | 24.7% |
| 担当者の実績・専門分野 | 40% | 7.3% |
| 仲介・買取の違い | 50% | 25.3% |
| 税金・費用 | 38% | 30% |
| HP確認状況 | 一括査定グループ | 非一括査定グループ |
|---|---|---|
| 必ず見た | 60% | 25.3% |
| 一部の会社は見た | 32% | 30.7% |
| 見ていない | 8% | 44% |
| 確認した合計 | 92% | 56% |
一方、非一括査定グループは、限られた情報で意思決定する傾向が見えました。
会社選びは知人紹介(38.7%)を起点とするケースが多く、情報収集の範囲も比較的限定的です。
実際に55.3%が1社のみで意思決定しており、問い合わせ手段も電話(52%)や来店(23.3%)といったオフラインが中心となっています。


比較した会社数の違い(Q9)
一括査定グループの88%が複数社を比較、非一括査定グループは1社のみが55.3%
| 比較した社数 | 一括査定グループ | 非一括査定グループ |
|---|---|---|
| 1社のみ | 12% | 55.3% |
| 2〜3社 | 54% | 38.7% |
| 4〜5社 | 28% | 4.7% |
| 6社以上 | 6% | 1.3% |
| 複数社合計 | 88% | 44.7% |
一括査定グループの88%が2社以上を比較していたのに対し、非一括査定グループでは55.3%が1社のみで決断しています。
特に「4〜5社」の比較は28% vs 4.7%と約6倍の差があり、一括査定グループが文字通り「複数社を比べて判断する」というプロセスを踏んでいることが明確に示されています。
仲介会社選びの基準の違いとは?(Q10)
依頼先の最終的な決め手の違いでは、一括査定グループはWebサイトの印象が18%、非一括査定グループは知人紹介が20.7%でした。
| 最終決め手 | 一括査定グループ | 非一括査定グループ |
|---|---|---|
| 担当者の知識・提案力・人柄への信頼 | 22% | 25.3% |
| 査定価格の高さ・根拠への納得感 | 18% | 11.3% |
| 手数料の安さ・特別なサービス | 14% | 4% |
| 地域での実績・知名度 | 16% | 18% |
| 会社のWebサイト・資料の印象 | 18% | 2.7% |
| 自宅・職場から近い | 4% | 11.3% |
| 知人・友人からの紹介 | 6% | 20.7% |
両グループとも「担当者への信頼」が最多であることは共通しています。ただし、それ以外の項目で顕著な差が見られます。
一括査定グループでは「Webサイト・資料の印象」が18%と、非一括査定グループの2.7%の約6.7倍に達します。
ホームページを92%が確認し、その内容を深く見ていた一括査定グループにとって、Webサイトの印象が最終判断に影響しやすいことが示されています。
一方、非一括査定グループでは「知人・友人からの紹介」が20.7%と、一括査定グループの6%を大きく上回ります。
知人紹介から始まり、そのまま依頼に至るという、デジタルを介さない経路が依然として機能していることがわかります。
デジタル接触の違いが、その後の行動にも影響している
一括査定グループは広告接触率が94%と高く、Webフォームやチャットなどデジタル経由での問い合わせが78%に達しています。
さらに88%が複数社を比較しており、情報収集から比較、意思決定まで一貫してデジタル上で行動している点が特徴です。
一括査定グループの84%は、最終的にそのサイトで紹介された会社に依頼しています。
この結果から、一括査定は単なる情報収集ツールではなく、依頼先の決定にまで影響を与える“起点”として機能していることが分かります。
比較編まとめ:一括査定を使う人は「デジタル上で能動的に動く」
両グループの比較を通じて見えてきたのは、一括査定の利用有無が単なる「サイトを使ったかどうか」の違いにとどまらず、検討プロセス全体のスタイルの違いとして表れているということです。
一括査定グループは、検討初期から会社・担当者を比較するための情報を幅広く収集し、広告への感度が高く、ホームページを深く確認し、口コミを積極的に調べ、Webフォームで問い合わせ、複数社を比較したうえで判断を下すという一貫したデジタル活用型の行動パターンを示しています。
非一括査定グループは、知人紹介や看板・チラシといったオフラインの接点から始まり、情報収集の範囲も限定的で、1社のみで決断するケースが多く、問い合わせも電話や来店が中心です。
最終的な決め手として「担当者への信頼」が最多である点は両グループで共通していますが、そこに至るまでのプロセスが根本的に異なっています。
一括査定の利用を入口として、デジタル上での情報収集が連鎖的に深まっていく様子が、この比較から読み取れます。

調査から分かった“不動産売却でネット情報とどう向き合うべきか?”

ネットで見ておくべき情報一覧(Q2・Q5より)
調査結果から、不動産売却の検討初期に多くの人が確認している情報は、一定の共通点があります。
具体的には、売却相場や売却の流れ、費用や税金といった基本情報に加え、会社の実績やサービス内容などが幅広く検索されています。また、実際に公式HPで時間をかけて確認されていたのは、「会社の基本情報」「地域の成約実績」「査定価格の根拠」といった項目です。
これらは、売却の全体像を理解すると同時に、依頼先の比較材料としても機能していると考えられます。まずはこうした基本情報を一通り確認することが、検討の出発点となります。
ネットで不足しがちな情報(Q6より)
一方で、ネット上の情報に「不足を感じた」と回答した人は71%にのぼりました。
特に不足していると感じられていたのは、地域に特化した具体的な相場データや各社が持つ独自の売却事例、担当者個人の実績など、より具体性の高い情報です。これらは「どの会社に依頼するか」を判断するうえで重要な要素である一方、全国的な相場情報や一般的な情報に比べて比べて見つけにくい傾向があります。
そのため、情報を集める際には、単に量を増やすのではなく、判断に必要な具体情報が揃っているかどうかを意識することが重要です。
仲介会社の良し悪しは“情報量の多さ”ではなく“透明度”
調査結果から見えてくるのは、「情報が多い会社=良い会社」とは限らないという点です。
Q6では、ネット上の情報に不足を感じた人が71%にのぼり、特に地域に特化した売却事例や担当者個人の実績、費用の図解・計算例など、判断に直結する具体的な情報が不足していることが分かりました。
むしろ重要なのは、情報がどれだけ具体的に、分かりやすく公開されているかという“透明度”です。例えば、担当者の実績や得意分野、地域での売却事例、査定価格の根拠などが明確に示されているかどうかは、判断のしやすさに大きく影響します。
情報の量だけで比較するのではなく、「その情報が自分の判断に使えるか」という視点で確認することが、仲介会社選びにおいて重要になります。
結局どう選ぶ?調査データから導く仲介会社選びのポイント
ここまでの調査結果を踏まえると、不動産売却における仲介会社選びは、次のような流れで進めるのが現実的です。
まずネットで相場や流れなどの基本情報を把握し、候補となる会社をいくつか見つけます。そのうえで、公式HPや口コミを確認しながら、実績や対応内容を比較していきます。
そして最終的には、担当者とのやり取りを通じて信頼できるかどうかを判断し、依頼先を決めるケースが多くなっています。
調査結果からも分かる通り、情報収集の方法やプロセスは人によって異なりますが、「ネットで情報を集め、複数の材料をもとに判断する」という流れ自体は、多くの人に共通していると考えられます。
まとめ|不動産売却の仲介会社選びは“ネット情報の質”で差がつく
本記事では、過去5年以内に居住用不動産を仲介で売却した経験者200名を対象とした調査をもとに、情報収集から依頼先の決定に至るまでの行動を見てきました。
調査全体から見えてきたのは、不動産売却における情報収集が、特定の手段に依存するのではなく、ネット・紹介・オフラインといった複数の接点を組み合わせながら進んでいるという点です。
一方で、情報量そのものは十分に存在しているものの、最終的な判断に必要な具体的情報については不足感が残っており、検討者は複数の情報源を行き来しながら補完している実態も確認されました。
また、一括査定の利用有無によって情報収集の深さや比較行動に差が見られるなど、同じ売却検討者でも意思決定に至るプロセスには違いがあることが分かりました。
しかし、どのような経路をたどる場合でも、最終的な依頼先の決定において重視されているのは、担当者への信頼であるという点は共通しています。
こうした結果から、不動産売却におけるネット情報は、単に量を集めるためのものではなく、不動産売買における判断材料を得るための重要な役割を担っていると考えられます。
調査内容がざっくりわかる“Q&A”

Q1. 売却を検討し始めたとき、まず何を調べる人が多いですか?
本調査では、検討初期にネットで最も多く検索されたのは「売却相場や価格の目安」で44%でした。
次いで「売却の流れ・手続き」33.5%、「税金・費用」32%と続きます。「いくらで売れるか」を確認することが、多くの人の最初のステップになっています。
Q2. 候補の不動産会社のホームページは確認すべきですか?
本調査では65%が候補会社のホームページを確認していました。
特に「会社の基本情報」「地域の成約実績」「査定価格の根拠」が多く見られており、信頼性の確認と比較検討の材料集めに活用されています。内容をひと通り確認しておくことで、問い合わせ前の判断材料が増えるでしょう。
Q3. 口コミは参考にしたほうがいいですか?
本調査では63.5%が候補会社の口コミや第三者評判をネットで確認していました。
ただし「参考程度に確認した」が41%と最多で、口コミだけで判断するのではなく、ホームページや担当者との面談と組み合わせて使う補助的な情報源として活用している人が多い実態があります。
Q4. 不動産会社は何社に相談すればいいですか?
不動産売却でおすすめなのは、最初から1社に絞り込むのではなく、複数の不動産会社に相談し、査定価格の根拠や担当者の対応を比較することです。
ただし、本調査では1社のみで決めた人も44.5%おり、知人紹介や地域での信頼感を重視する人も一定数いました。
大切なのは、会社数そのものよりも納得できる判断材料を得られるかどうかです。
Q5. 最終的に会社を決める際、何を重視する人が多いですか?
本調査では「担当者の知識・提案力・人柄への信頼」が24.5%で最多でした。
査定価格の高さを挙げた人は13%にとどまっており、価格だけでなく担当者との相性や会社への信頼感が、最終的な決断に大きく影響する傾向が見られます。
Q6. ネットで調べても知りたい情報が見つからないのはなぜですか?
本調査では71%が「探しても十分に見つからなかった」情報があると回答しています。
地域に特化した相場データや担当者個人の実績、費用の具体的な計算例など、判断に直結する情報ほどネット上では得にくい傾向が見られました。
調査内容を振り返って
今回の調査を通じて感じたのは、不動産売却では「ネットで調べること」と「人に相談して確かめること」のどちらも欠かせないということです。
ネット情報は、売却相場や費用、不動産会社の特徴を知るうえで役立ちます。一方で、自分の物件の条件に合う売り方や、担当者がどのように対応してくれるのかまでは、ネット上の情報だけでは判断しきれない部分もあります。
だからこそ、売却を検討する方は、まずネットで基本情報を集めたうえで、気になる会社に実際に相談し、説明の分かりやすさや対応の丁寧さを確認することが大切です。
同時に、不動産会社側にとっても、公式HPや口コミ、広告などを通じて、地域での実績や査定価格の根拠、担当者の考え方などを分かりやすく伝えることが、選ばれるための重要な接点になっていると感じました。
ネット上の情報は、単なる集客の入口ではなく、お客様が安心して相談先を選ぶための判断材料として、今後さらに重要性を増していくのではないでしょうか。
