リースバックのトラブルと解決策|300人アンケートで見えた実態【2025年10月独自調査】

「リースバックって本当に大丈夫?」「トラブルは起きないの?」近年、リースバックは家を売っても住み続けられる不動産活用の手段として注目されていますが、便利さの一方で、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
インターネット上には様々な情報がありますが、一般的な情報が多く、実際に利用した人の「生の声」を知る機会は限られています。
そこで、あなぶき興産は、㈱市場開発研究所協力のもと、リースバックの利用・検討経験がある方(300名)を対象に、第4回目となる独自アンケート調査(2025年10月実施)を行いました。
本記事では最新調査(300人回答)で得られたリアルなデータをもとに、以下の点をわかりやすく解説します。
- リースバックが選ばれる理由
- 知名度が高く、査定依頼数が多いリースバック業者
- 検討者・利用者が経験したリアルなトラブルと調査から見えてきた具体的な対策
リースバックを検討中の方が安心して判断できるよう、調査で明らかになった「実態」を詳しくお伝えします。




穴吹興産 竹島 健
区分投資事業部 バックオフィス 課長
【資格】
・宅地建物取引主任者
・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
【経歴】業界歴20年。7年間リースバックを中心に中古マンション買取事業に従事。現在は経験を活かしてリースバック検討に役立つ情報を発信。
リースバックのお問い合わせ
stock_mansion@anabuki-kosan.co.jp
今注目の不動産活用方法「リースバック」とは?

リースバックとは、自宅を一度売却してまとまった資金を受け取り、同時にそのご自宅の買主と賃貸契約を結ぶことで、売却後もそのまま住み続けられる仕組みです。
売却によって資金を得られる安心感と、引っ越しや生活環境を変える必要がないという利便性を両立できる点が大きな特徴です。
近年では、以下の理由から利用する人が増えています。
- 老後の生活資金を確保したい
- 住宅ローンの返済負担を減らしたい
- 相続や離婚などで早めに資産整理をしたい
特に、高齢者世帯を中心に「住み慣れた家を手放さずに資金を確保できる」手段として注目が高まっています。
リースバックは、売却と賃貸の仕組みを組み合わせた柔軟な不動産活用法であり、今後も需要の拡大が見込まれるサービスです。

2025年10月最新アンケート調査の概要

本調査は、あなぶき興産が株式会社 市場開発研究所の協力のもと、リースバックの利用経験者および検討経験者を対象に、2025年10月に実施した独自アンケートです。
全国の20代〜70代の男女300名から回答を得ており、実際にサービスを利用した人の生の声を中心に集計・分析を行いました。
調査概要
調査実施期間:2025年9月29日〜10月2日
調査方法:オンラインでのアンケート
回答者数:300名
10,000名にスクリーニング調査を実施、自宅売却を検討し、その過程でリースバックを「利用した・現在利用中・検討経験あり」と回答した300名に本調査を実施
対象者条件:リースバックを「利用した」「現在利用中」「検討したことがある」いずれかに該当する方
調査の目的
- リースバックが選ばれる背景を調べる
- リースバック市場での各事業者の認知度・査定依頼ランキングを知る
- リースバックトラブルやその後の行動を調査することで、これまで分からなかった検討者の行動を知る
回答者属性(性別・年代・職業など)
性別:男性83.7%、女性16.3%
年代:50代以上が全体の約7割を占め、老後の資金確保を目的とした回答が目立ちました。
家族構成:夫婦とお子様1人以上の家族構成が最も多くなりましたが、ひとり暮らし、夫婦2人などの回答も多くなりました。
職業:会社員が大多数を占め、次いで定年退職を含む無職が多い結果となりました。
地域:回答者は全国47都道府県に分布し、特に回答が多く見られたのは東京都18.3%、神奈川県9.7%、大阪府9.3%でした。
あなぶき興産住宅が多く集まる都市部ではリースバック検討者数も自ずと増えています。
これは、前回までの調査と同様の結果となっています。










自宅売却およびリースバック利用の検討経験
これまで自宅の売却を検討したことがあり、さらにリースバック利用についても「取引した」が14.7%(44人)、「検討したが取引しなかった」が50.7%(152人)、「検討中」が34.7%(104人)となりました。


リースバックに関する本調査の内容
本調査では、次の項目について聞きました。
次章から、結果と合わせて詳しく解説していきます。
- 今、お住まいの種類
- リースバック検討理由
- リースバックで自宅に住み続けたいと考えた理由
- リースバックで検討した賃貸借契約の種類(住む年数)
- リースバック検討で重視した点
- リースバック以外で検討したもの
- 知っているリースバック事業者及び査定を依頼した事業者
- リースバックで何らかのトラブルや不満、困った経験があったか
- (トラブルがあったと回答した方が)経験したトラブル
- トラブル解決に役立ったことや、どのような交渉をしたか
今回の調査の特徴とこれまでの調査との違い
これまでの調査(2024年4月・6月・12月実施)では、「満足度」「利回り」「査定行動」などの定量データに焦点を当てていました。
これまでの調査でリースバックに関する有益なデータを集められた一方で、実際のトラブルや相談行動は数値化されていませんでした。
今回(2025年9月)の調査では、初めて「トラブル内容」「対応行動」「自由記述での対処法」を設問に追加したため、利用者の”感情面””行動面”まで深く聞くことができました。



これまで”満足・不満”は分かっても、なぜ不満が生じたのかまでは把握できませんでした。
今回の自由回答を通じて、契約理解や対応体験などの”人の行動”が初めて見えてきました。
リアルな検討者アンケートから分かった「リースバック」を選んだ理由とは?


本調査では、まずリースバックを検討した理由と、リースバックで自宅に住み続けたいと考えた理由について、続いてリースバックで検討した賃貸借契約の種類や重視した点などを聞きました。
リースバックを選んだ理由|「老後資金」と「生活環境の維持」
「リースバック検討理由」は、リースバックを含めたいくつかの手段で不動産売却を考えた背景に迫る設問です。
リースバックを選んだ理由について尋ねたところ、最も多かったのは「老後資金の確保」で、次いで「生活費のため」「終活・資産整理」となっています。
前回までの調査同様、回答者の半数を50代、60代、70代が占め、定年退職後の生活のために不動産を活用する傾向があるという状況が浮かび上がります。


一方で、「リースバックで自宅に住み続けたい理由」の設問では、いくつかの売却方法のうち、なぜリースバックを選んだかを知ることができました。
「生活環境を変えたくなかった」が多く、自宅を売却してもそのまま住み続けられるリースバックの特徴が、多くの利用者にとって精神的な安心感につながっていることが分かりました。
特に高齢になるにつれ、「長年慣れ親しんだ地域や近所づきあいを大切にしたい」「介護を考えると引っ越しができない」という気持ちから、リースバックを選ばれるようです。
「自宅を売却したことを周りに知られたくなかった」という回答も多く、人間関係を含めてこれまで通りに生活を送りたいというニーズがうかがえます。
実際のリースバック事業者としてお客様のリースバック希望理由を伺うと、「老後の生活資金のため」「月額の負担を抑えるため」といったお声が多くあります。
また今回の調査では少数になりましたが、学校に通うお子様の環境を変えたくない、といったお客様もいらっしゃいます。


リースバック契約後に希望する賃貸借契約
リースバックで検討した賃貸借契約の種類(住む年数)の結果データでは、普通借家契約(長期)が120人と全体の40%を占め、次いで5年以上の定期借家契約が83人となり全体の27.7%でした。
リースバックで自宅を資金化することにより問題解決をしつつ、長く住むことを望んでいる方が多いことがわかります。
リースバックで住み続けたいと考えた理由の回答結果や、こちらの回答結果から、引っ越しをせず今の住まいに住み続けられるリースバックの仕組みが大きな魅力となっていることがわかります。


「リースバック」で求める条件|「売却金額」と「家賃」
続いてリースバックを検討する際に重視した点を尋ねたところ、最も多かったのは「売却金額」、次いで「家賃」といった金銭面の条件でした。
この傾向は前回までの調査と同様で、利用者の多くが「どれだけ高く売れて、どれだけ安く住み続けられるか」を重要な判断基準としています。


「複数社を比較すると、査定額も賃料もかなり差があった」
「家賃の見直し条件をよく確認しておけばよかった」
といった声も実際に聞くこともあり、事業者ごとの条件比較や契約内容の理解度が、満足度を左右する要因であることが明らかになりました。


リースバックのほかに検討された選択肢としては、
- 通常の不動産売却(住み替え)
- 不動産会社による買取
- リバースモーゲージ
- 不動産担保ローン(融資)
が上位に挙げられました。
リースバック以外で検討されるものは、「通常の売却」が最も多くなっています。
引っ越しが可能な状況であれば、リースバックより買取金額が高い通常の売却を選ばれる方も多くいらっしゃいます。
不動産の売却では、買取金額と、新居購入や引っ越しにかかる費用、税金などを総合的に比較し、最も条件の良い方法を選ぶ事が重要です。
リースバックでは買取金額が通常の売却の6~7割になることが多い一方で、売却後の管理費用や修繕積立金、固定資産税などの負担がなくなるため、トータルで見ると通常売却よりも有利になる場合もあります。
また、「リバースモーゲージ」は住宅を担保に金融機関から融資を受ける仕組みとなり、高齢者層を中心に一定の関心があります。
「リバースモーゲージ」には所有権を手放さなくていいというメリットがある一方、年齢制限が設けられたり、資金の使途が狭められるといったデメリットもあります。
家族の学費、相続税の納税、投資など、制限を受けずに資金を使用したい方はリースバックがお勧めです。
リースバック事業者知名度・査定依頼数ランキング


知名度の高いリースバック事業者TOP3
アンケート調査では知っているリースバック事業者についても複数選択式で質問した結果、下記のグラフのようになりました。


知っているリースバック業者1位は、穴吹興産となり続いて、2位:一建設、3位:セゾンファンデックスという結果になりました。



あなぶきをご存じの方が多く、大変うれしいです!
穴吹興産は、四国を中心にマンション事業を展開している東証スタンダード上場企業で、リースバックについてもマンションを専門としています。
利用者の年齢制限がなく、普通借家契約で安心して長く住み続けられる点で多くの方に選ばれています。
▼あなぶきのリースバックについて詳しくはこちら


2位の一建設のリースバックは、商品ラインナップが豊富な点が特徴で、他のリースバック事業者では見ない商品があるのが魅力です。
また、3位のセゾンファンデックスのリースバックはクレディセゾンが親会社となり、会社規模の大きさで安心感を感じられます。
▼こちらの記事では他の事業者もあわせて解説しています。


査定依頼が多かったリースバック事業者TOP3
続いて査定依頼をしたことのあるリースバック事業者についても複数選択式で聞きました。


知名度と同様、査定依頼数ランキングでもあなぶきのリースバック、一建設、セゾンファンデックスが上位にランクインし、不動産業界で信頼度の高い企業や上場企業グループが上位にランクインする傾向が見られました。
さらに査定依頼数ランキングでは、知名度の高さに加え、サイトの分かりやすさや対応スピードが評価された企業が上位に入りました。
特に、初めてリースバックを検討する人にとっては、「問い合わせ時の対応の丁寧さ」「説明の分かりやすさ」が業者選びの重要な判断基準になっているようです。
事業者の選び方については、後述の「リースバックトラブルを防ぐポイントを徹底解説!」を参考していただけますと幸いです。
査定依頼数
リースバックの検討者は、実際に何社に査定を依頼しているのでしょうか。
査定を依頼したことのあるリースバック事業者への回答から、査定依頼社数を調べた結果、次のグラフのようになりました。
今回の調査では、0社が一番多くリースバックを検討しつつも実際の査定依頼にまで行動を移していない人が一定数いることが分かります。
続いて1社へ依頼した人が2社、3社以降と比べてかなり多くなっていることが分かりました。


アンケートから見えたリースバックトラブルの実態


リースバックは「売却しても住み続けられる」という利便性から人気を集めていますが、契約内容が複雑なため、実際の利用者からはトラブルや不満の声も一定数見られます。
そこで今回の調査では、「何らかのトラブルや不満、困った経験」と、「経験した具体的なトラブル」、さらには自由記述式で「トラブルが解決した際に役立ったこと、どのような工夫や交渉をされたか」を聞きました。
トラブル経験の有無
「何らかのトラブルや不満、困った経験」を聞いた結果から、多くの人が大きな問題なく取引を終えている一方で、約4割近くが「何らかの不満・戸惑い・トラブル」を経験していることがわかりました。
また、トラブルなどを抱えた方のうち、リースバック事業者を切り替えることなくトラブルを解決し契約をした方、リースバック事業者を切り替えることでトラブルを解決し契約した方が大多数を占めることが分かりました。


トラブルの特徴と傾向
何らかのトラブルや不満、困った経験があったと回答した方に、さらに具体的なトラブル内容を複数回答式で聞きました。


その結果、主なトラブル内容は、金額に関するもの、契約内容に関するもの、リースバック事業者の営業担当者や家族といった対人関係のものと分けられ、特に修繕金や家賃、買取金額についてのトラブルが多くみられました。
修繕金の負担と家賃の高さ
最も多かったのは「修繕金の負担」と「家賃の高さ」で、どちらも金銭条件に関連する不満でした。
査定金額・家賃・契約条件の3点が十分に説明されていない場合、のちに「聞いていなかった」「違うと思っていた」といった不満につながりやすい傾向があります。
修繕金に関しては、リースバック事業者が負担すると思っていたが、実は賃借人が負担しなければならなかったといったケースがありますので、しっかりと確認をしなければならない事項になります。


買取金額についてのトラブル
リースバックはその仕組みから通常の不動産売却と異なり、買取金額が市場の6~7割程度になります。そして、買取金額はリースバック契約後の家賃にも関わってきます。
このようなリースバックの基本を踏まえて検討を進めることで、認識のずれがなくなりひいてはトラブルや不満が起こりにくくなるでしょう。
また買戻し特約をつける際、買戻し価格はどうしても高くなります。
一時的な資金確保のためリースバックを利用し、買い戻す際は、自分の将来設計とあわせて検討することで、より納得する条件でのリースバック契約ができるでしょう。
また、賃貸借期間が想定よりも短くなるというトラブルも見られました。
先述のとおり、リースバックでは長い期間賃貸借を希望する方が多い一方で、想定よりも短い期間しか住めないとなるとライフプランを大きく変更せざるを得ない状況になります。
リースバック利用の際には、条件などをしっかり確認することが必要となります。


口コミから分かるトラブル解決策とは
トラブル経験者に対して「トラブルが解決した際に特に役立ったこと、どのような工夫や交渉をされたか」を自由記述で尋ねたところ、主に次のような回答が得られました。
有効な回答のなかで、似た回答をまとめ表にしたものが下記になります。


多く見られたのは、複数の業者に見積もりを取ることでした。



複数社へ見積りを依頼すると良さが比較できる
といった声もあり、見積りを取得した段階で事業者ごとのリースバックの特徴をしっかり比較できることが分かります。
また、「分からないことは詳しく聞いた」との回答もありましたが、リースバックは通常の売却と異なる仕組みですので、認識のずれを無くすことが大切になってくることがこちらの回答からも分かります。
「知識のある人が入った方がいい」との口コミもあり、リースバックについて詳しく知らないまま契約することは危険だということが分かります。
さらに管理会社や弁護士、専門家などの第三者を入れることで解決に至るパターンもあることがわかりました。
次の章ではリースバック事業者だから分かる、トラブルを防ぐポイントをお伝えします。
リースバックトラブルを防ぐポイント6選を徹底解説!


リースバックは、うまく活用すれば「住まい」と「資金」を両立できる優れた仕組みですが、契約内容を十分に理解しないまま進めると、思わぬトラブルに発展するおそれがあります。
ここでは、実際の利用者アンケートや口コミから見えてきたトラブルを防ぐための具体的なポイントを整理しました。
①契約前に複数社を比較する
リースバックは事業者によって査定基準や条件が異なるため、1社だけで判断せず複数社で見積もりを取ることをおすすめします。
3社ほどの事業者に査定依頼を出し、提示条件・家賃・契約期間を比較検討しましょう。
複数査定を取ることは、価格交渉のためだけでなく、自分の条件に合う会社を選ぶためのにも必要です。



査定額だけでなく、「買戻し条件」「修繕負担」も必ず確認しておきましょう。
② 契約形態(普通借家・定期借家)をしっかり確認
リースバック契約後の賃貸借契約は、「定期借家契約」「普通借家契約」の2種類があり、それぞれの特徴は下図のようになります。


定期借家契約では、賃貸借期間があらかじめ定められているのに対し、普通借家契約では、賃借人が希望する限り更新が可能です。
普通借家契約は更新が可能で、長期的に住み続けたい方に向いています。
一方、定期借家契約は契約満了で退去が必要になる場合があるため、再契約の有無を事前に確認しておくことが重要です。



契約満了後に再契約ができないと知り、住み替え準備が間に合わなかった、という失敗例も聞きます。
③ 家賃設定の根拠を確認する
家賃は「物件の所在地」「築年数」「市場相場」そして「売却価格」などをもとに決定されます。売却価格が高いほど、家賃も高くなる傾向があります。
「家賃が思ったより高かった」という不満は、トラブルの大きな原因になります。
事前に「どのような根拠でこの家賃が算出されているのか」を担当者に説明してもらい、納得できるまで質問しましょう。
④ 契約内容の書面確認を徹底する
トラブルの中には「口頭で説明を受けた内容と実際の契約条件が違った」という事例もあります。
契約書・重要事項説明書は必ず読み込み、不明点はその場で担当者に質問をしましょう。
特に、特に、以下の5点は最重要確認項目です。
- 買戻しの条件(将来買い戻せるか、可能な場合の金額)
- 買取価格
- 家賃(値上げの条件や時期も含む)
- 契約期間(普通借家か定期借家か)
- 修繕費の負担範囲(どちらが何を直すか)
⑤ 信頼できる事業者を選ぶ
リースバック事業者は多く、どこに依頼するか悩まれると思います。
最も確実なトラブル回避策としては、実績があり、契約条件を明確に説明してくれる事業者を選ぶことです。
上場企業グループや不動産管理に強い企業など、信頼性の高い会社を選ぶことが安心への第一歩です。
口コミ調査でも、「担当者が抜群によかった」「信頼性が出た」という回答があり、最終的には「人」で選んだケースもあるようです。
⑥ 家族・専門家にも内容を共有しておく
今回の調査では、「同居家族に反対され揉めた」というトラブルも実際にあることが分かりました。
リースバックはご家族の将来にも関わる大きな決断です。
事前にご家族とよく話し合い、契約内容を共有しておくことが非常に大切です。
不安を感じる際は、営業担当者に相談したり、必要に応じて弁護士やファイナンシャルプランナーなどの専門家の意見を聞いたりすることも、安心への近道です。
リースバックへの理解を深めることでトラブルは少なくできる!
今回の調査で初めて明らかになったリースバックのトラブル実態は、決して「業者の不正」や「制度の欠陥」ではなく、契約内容や仕組みの理解不足から生まれる「情報ギャップ」が主な原因でした。
トラブルは避けられないものではなく、契約前に”家賃・期間・修繕・買戻し”を明確にしておけば、ほとんどの問題は防げることがわかりました。
トラブルを経験したリースバック利用者(全体の約37%)に対して、「問題発生後にどのような対応を行ったか」を質問したところ、6割以上が特に行動を起こさなかった一方で、約4人に1人は事業者への相談や交渉を行っていたことがわかります。
これまでの調査結果から、リースバックで「満足した人」と「後悔した人」を分ける最大のポイントは、”事前の確認”と”相談行動”の有無であることが分かりました。
契約内容をしっかり理解し、複数の事業者を比較した人ほど、トラブルを未然に防ぎ、結果的に高い満足度を得ています。


まとめ│2025年10月調査から見えてきたこと


今回の調査と過去(2024年)の調査データとの比較では、リースバック検討者層やリースバック検討理由などは大きく変わらないことが分かりました。
過去調査で見えてきたこと
2025年9月調査は、あなぶき興産が2024年から継続して行っているリースバック利用者調査の第4弾にあたります。
これまでの調査結果(2024年4月・6月・12月)ではそれぞれ次の点に着目して調査を行いました。
今回の調査では「トラブル」に関するデータを集めました
2024年6月の調査では満足度調査も行いましたが、今回の2025年9月調査ではさらに踏み込んで、トラブル発生や対応行動に関する調査を行いました。
初めて「トラブル」「トラブル時の対応」を含めた包括的調査であり、これまで見えなかった”リースバックトラブルの実態”が初めて可視化された点に大きな意義があります。



これまで満足度や査定条件は調査していましたが、利用者の”実際の困りごと”をデータ化できたのは今回が初めてです。
契約理解の重要性が、今後の改善課題として浮き彫りになりました。
正しく理解すれば、リースバックは安心して使える
今回の調査で最も大きな意義があったのは、初めて「トラブル」「トラブル時の対応」に関するデータを集め、これまで見えなかった”リースバックトラブルの実態”が可視化された点です。
利用者の”実際の困りごと”がデータ化されたことで、契約理解の重要性が改めて浮き彫りになりました。
結論として、リースバックは「やばい」「危険」「罠ではないか」「騙されたらどうしよう」といったネガティブなイメージとは異なり、正しく理解して利用すれば、安心して活用できる制度であることがデータから裏付けられています。
リースバックは「トラブルがある=危ない」ではなく、「事前の対応で解決できる」ことが今回の調査で証明されました。
またトラブルや何かしらの不満があった際には、「契約を見直した」「説明を聞き直した」「複数社を比較した」など、小さな工夫で安心を得ている利用者が多くいます。
もしあなたが今、「自宅を売るのは不安だけど、資金を確保したい」「老後の生活を考えて、家をどうすべきか迷っている」と感じているなら、今回の調査結果が一つの参考になるはずです。
今回のアンケート調査からは、リースバックという仕組みが「資金確保」と「住み続けられる安心感」を両立できる不動産活用法として、多くの利用者から支持を集めていることが改めて明らかになりました。
この調査結果が、これからリースバックを検討する方にとって、安心して納得のいく契約を結ぶための一助となれば幸いです。
よくある質問(FAQ)


Q1. リースバックでよくあるトラブルにはどんなものがありますか?
多いのは、「修繕金の負担」や「家賃設定」、「買取金額」に関する不満です。
「想定より買取価格が低かった」「家賃が高く感じた」「契約内容の説明が不足していた」といった声も聞きます。
契約前に複数社で査定を比較し、契約条件を文書で確認することがトラブル防止のポイントです。
Q2. リースバックの買取価格はどれくらいが相場ですか?
一般的に、リースバックの買取価格は市場価格の6〜7割程度といわれています。
その代わりに、引っ越し費用・管理費・修繕積立金・固定資産税が不要になるため、トータルで見ると経済的な負担を抑えられるケースもあります。
Q3. リースバックの契約期間はどれくらいですか?
リースバックの契約形態には「普通借家契約(更新あり)」と「定期借家契約(更新なし)」の2種類があります。
アンケートでは、普通借家契約(長期)を選ぶ人が40%と最も多く、できるだけ長く住み続けたいというニーズが強いことが分かりました。
契約更新や再契約の条件は、事前にしっかり確認しましょう。
Q4. 家賃はどのように決まりますか?
家賃は、物件の立地・築年数・売却価格・市場相場などをもとに事業者が設定します。
家賃の根拠を担当者に説明してもらい、納得できる条件で契約することが大切です。
また、「家賃見直しの時期」や「改定の条件」が契約書に明記されているかも確認しておきましょう。
Q5. 信頼できるリースバック事業者を選ぶには?
口コミや評判を参考にしながら、実績があり説明が丁寧な事業者を選ぶことが大切です。
上場企業グループや、契約内容を透明に公開している会社は信頼度が高い傾向にあります。
複数社を比較することで、条件面・対応面ともに納得のいく業者を選びやすくなります。
Q6. リースバックはどんな人に向いていますか?
調査結果から、
- 老後の生活資金を確保したい方
- 住宅ローン返済の負担を減らしたい方
- 住み慣れた家から離れたくない方
- 相続や離婚などで資産整理をしたい方
などに向いていると言えます。
このようなケースでは、リースバックは「住み続けながら資金を得られる」有用な選択肢となります。
Q7. リースバックを利用する前に確認すべきことは?
以下の4点を事前にチェックしておくことで、契約後のトラブルを防ぎやすくなります。
- 複数社で査定を比較したか
- 契約形態(普通借家・定期借家)を理解しているか
- 家賃の設定根拠と改定条件を把握しているか
- 契約期間・再契約条件を明確にしているか
リースバックは、家を守りながら人生の選択肢を広げる制度です。焦らず、比べて、納得して決める。それが、後悔しない一番の方法です。
編集部コメント|アンケート調査を終えて
今回、リースバックのトラブルに関して自由記述方式を含めた調査を行いました。
リースバックは大きな金額の取引であり、ご自身のライフプランに大きく関わるものなので、不安も大きいと思います。
インターネットでは様々な情報があふれてるなか、何が本当なのか見えづらくなっているのではないか、調査を通してリースバックのリアルを知って安心してもらいたいという気持ちで今回の調査を行いました。
調査結果により、トラブルの多くは「リースバックは危険」という制度上の欠陥ではなく、「情報ギャップ」や「確認不足」から生じており、正しい知識を持つことで防ぐことができるということが分かりました。
特に印象的だったのは、トラブルを回避できた方の多くが、「複数社を比較した」「担当者に納得いくまで質問した」という”事前の行動”を実践されていた点です。
リースバックは「罠」や「危険なもの」ではなく、仕組みを正しく理解し、信頼できるパートナー(事業者)としっかり対話することで、ご自身の未来を支える強力なツールになります。
この記事が、溢れる情報の中で不安を感じている方にとって、一歩を踏み出すための「確かな情報源」となり、安心してご検討いただくための一助となれば幸いです。 これからもリースバックの正しい知識を広めるために尽力していきます。
【記事内の調査結果・データ転載に関して】
こちらの記事に公開している調査結果及びエータについては、同業の会社様を問わず以下の利用ポリシーに基づいて自由にご利用いただけます。
- 画像、データ使用の際は、参照元として当記事・サイトのURLの記載をお願いします。
- 画像、データに関するデータ形式が別途必要な場合は下記メールよりお問合せください。
- 問合せ先:stock_mansion@anabuki-kosan.co.jp





